最近SNSで見かける「後方彼氏面」っていったい何?
最近Twitter上でよく見かけるようになった、「後方彼氏面」という謎のワード。「ドラマに出ている○○くんを後方彼氏面で見守ってる」「友達の会話を後方彼氏面で眺めてた」などと使われているが、一体どういう意味なのだろうか。
“彼氏面”の意味はなんとなく分かるかもしれないが、恐らく引っ掛かるのは“後方”の部分。これを理解するには、アイドルのライブハウスを思い浮かべる必要がある。『アイドルとヲタク大研究読本』という書籍によると、雑多に見えるライブハウスのアイドルファンは様々な系統に分類されており、それぞれが定位置を確保しているのだという。
「王道系の現場」でのフォーメーションを見てみると、まずステージに近い前方には中央に陣取る「最前厨」と呼ばれる人々が。彼らの両サイドには、動かないでパフォーマンスを見つめる「地蔵」が鎮座している。「地蔵」は大体初心者のことが多い。中盤を埋めるのは「女ヲタ」「女ヲタヲタ」「ピンチケ」「フリコピ厨」といった面子。彼らの詳しい説明は省くが、「女ヲタヲタ」は女性ファンとの出会いを求めてライブに来ている人たちで、「ピンチケ」は厄介なファンのことだ。
ライブハウスの後方には、感情が高ぶった時に上げる謎の奇声“MIX”を入れたがる「ミキサー」や、誰よりも高く跳ぶ「ジャンパー」の姿が。そしてそんな人々よりもさらに後方に陣取り、腕を組んで「今日も頑張ってるな」とアイドルを見つめるファンがいる。彼らのことを指した言葉が「後方彼氏面」。
つまり「後方彼氏面」とはもともとアイドル用語で、いわゆる“ドルヲタ”と呼ばれる人たちの間で使われていた。それがSNSなどを通じて一般層にも広まり、最近では「飲み会で後方彼氏面してる」など人間関係を現す時に使用する人もいる。
一部で使われていたスラングが一般層に広まり、それに伴い意味が拡張されるのはよくあること。有名なのは“壁ドン”で、元々はアパートなどで隣人に壁を叩いてクレームをつける行為を指す言葉だったのだが、いつしかイケメン男性の“モテ行為”として広まった。
中には「誤用してる!」と指摘したい人もいるかもしれないが、きっと意味の変容はパワーワードの宿命なのだろう。古参アイドルファンの方々には、「そういうものだろ…」と腕を組んで後方彼氏面しながら見守っていただきたい。
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