「才」と「歳」の使い分け

普段何気なく目にして、何気なく使っている漢字。しかし意外と使い方を間違えていたりすることがあるかも。この記事では、ややこしい漢字の使い方を解説していきます。

・「才」と「歳」

どちらの漢字も、年齢を表すときに3才、16歳、25才、48歳といったように使いますね。結論から言うと、どちらの使い方も間違いではないのですが、ある場面によっては“歳”しか認められないということもあるようです。果たしてそれは一体何が理由なのでしょうか。

一般的に、公用文など正式な文章を書く時には“歳”を使うのがベター。その理由は、もともと“才”は年齢を表す言葉ではないからです。

「三省堂 大辞林」によると、“才”は生まれつき備わっている能力などを表すときに使う漢字で、才能、文才、秀才、英才といった使い方を本来するもの。年齢を表すときに使うのは俗用との記載が。また、先ほどから使用している“年齢”という漢字も、場合によっては“年令”と書かれることもありますよね。こちらも実は本来の意味とはズレる使い方。

しかし“才”も“年令”も容認されてきており、文化庁の公式サイトでは「年齢を数える場合に、「歳」のかわりに「才」を使い、また、「年齢」の「齢」のかわりに「令」を使うことはこれまでもかなり普通に行なわれている。「才」「令」は教育漢字、「歳」「齢」はそうでないことなども考え合わせると、今後はこのような場合、「才」「令」の使用がいっそう一般的傾向になるであろう。これを一概にとがむべきではないと考えられる」と見解を発表しています。

教科書でも、小学校の教科書では“才”を、中学校以上の教科書では“歳”が使われたりするそう。大人ならなるべく“歳”を使うほうがいいかもしれませんね。