おそ松くん=6つ子は誤り? 最初に考えられた兄弟の数は…
■『おそ松くん』は6つ子ではなかった?
2015年に復活した何かと話題のあの6つ子
2015年に、赤塚不二夫先生の生誕80周年を記念してアニメ化された『おそ松さん』。『おそ松くん』を原作に、各キャラクターが大人になった姿を描いたギャグアニメです。子どもの姿ではさらっと描かれていた個性が、大人になることでクズに成長する斬新なキャラ設定で復活しました。

アニメ『おそ松さん』公式サイトより
アニメ『おそ松さん』の人気の要因はどこにあるのでしょうか。話題性や人気声優の起用など多岐に渡りますが、やはり最大の魅力は“昭和のギャグはそのままに現代の作品を次々パロディとして取り込んでしまうところ”かもしれません。パロディは元々の作品の世界観があってこそ、「ネタ」として受け入れられるもの。今回は6つ子誕生秘話から、原作『おそ松くん』のルーツを追ってみます。
画面に入りきらない問題に直面
漫画『おそ松くん』は当初“4回の短期連載で、ギャグマンガをお願いします”という依頼からスタートしています。「よーし、どうせ4回で終了なら誰も描いたことがない、ハチャメチャマンガをやるぞ!」と赤塚先生が燃えたのだそう。誰も書いたことがない=前代未聞の設定ということで、6つ子を主人公にしようと始まったのが『おそ松くん』です。
赤塚先生は執筆にあたり、『一ダースなら安くなる』というアメリカのコメディ映画を参考にしました。「一ダース」とタイトルに入っている通り、映画では年齢の違う12人の子どもたちが登場します。『おそ松くん』も最初は映画に倣い、12人兄弟にしようと画策しました。しかし12人の主人公をコマに入れ込むのは難しく、6つ子という設定に落ちついたそうですよ。
『おそ松さん』の実写映画も公開し、何かと話題が絶えません。今回『おそ松さん』のルーツを追ってみたところ、“最初は兄弟の数が違った”という驚きの設定に辿り着きました。当初の予定通り12人兄弟だったら、どのようなキャラクターだったのか興味深いですね。
(文=ザ・山下グレート)