「過去の、未来のあなたには、必要な物語かもしれません」 ヤマシタトモコの『違国日記』を語りつくす!

 

こんにちは。豚乙女のボーカル、ランコです。

この連載は私が好きな漫画やアニメについて好きなように紹介していく記事・時々製作日記となっております。

今回はこちら

(C)豚乙女

ヤマシタトモコさんの「違国日記」です。
現在フィールヤングで連載中なのですが、色んな賞も取っているし有名な漫画なので読んだことある方も多いと思います。

私はそもそもヤマシタトモコさんのファンなのですが、「違国日記」は特に好きで、しかも人に勧めたくなる漫画です。

…… と言いつつ心のすごくやわらかい場所に触れる大切な漫画なので、ほんとうは紹介するのも怖いんですけど、是非読んでもらいたいので…… 笑

私が彼女の作品と出会ったのはBL作品だったのですが、特に好きなのは女性を主に描いている「HER」です。あと群像劇を描くのがばつぐんに上手いので「Butter!!!」もすごく魅力的でだいすき。

(C)豚乙女

 

(C)豚乙女

あらすじとしては、両親を亡くした娘(田汲朝)と、姉の遺児を引き取った小説家(高代槙生)の同居生活の話です。二人は互いに違う国の住人のようだなと思いながら手探りで暮らして行きます。

特に誰かに感情移入しながら読む、というよりは、あっこれいつか誰かに言ったな、これはいつか誰かに言われたな、という、シチュエーションに対する共感をする場面がたくさんあります。

慎生のような人間が、そもそも私は好きで。うちの姉や、小学校の時からの親友にどことなく似ているんです。人見知りで、社交的ではないけれど、うちに秘めた激情があって。だから私というより、近くにこういう人いるな~と思いながら読んでいます。

じゃあ自分は朝のようなタイプかと言うとそうではなくて、朝はすごくきらきらしていて素直でまるで生まれたての犬のようで、私は十五歳の時こんなにきれいじゃなかったな…… とその眩しさにくらくらします。でも、それを見習いたいなというか、こんな風に柔軟になれたら素敵だなとは思います。

他にも慎生の元カレや女友達、朝の友人が登場して、彼らから見た二人や、彼ら自身の話や感性の話も出てきます。ヤマシタトモコ先生は本当に、キャラクターに命を吹き込むのがうまくて、この人達みんなこの世に生きてるな…… と思います。群像劇が本当にお上手だと思う(二回目)

慎生に対して朝が「分かる言葉で喋ってよ」「違う国の言葉みたい」と言うシーンがあります。

私も似たようなことを言われたことがあったので、ドキリとしました。「難しい言葉で喋らないで」とか「そんな難しい言葉今使う必要なくない?」とか。

それを言われた時、私は特に難しい言葉を使っているつもりはなかったんです。でも、姉に、「君はテンパると難しい言葉を使う傾向があるよね」と言われて、自分のことを知ることが出来ました。それがわかったからって治せるわけではないんですけれど、意識することはできるので。

それから、結婚してから、毎日が違国日記みたいです。笑

幸いにも良く会話をする夫婦なので、違う国の住人ながら、すり合わせて寄り添って生きていけたらと思います。

ヤマシタトモコさんが五巻の帯で「これは私の物語だ、と思ってくださる方がいたら、その方のために描いている」と仰っていて、すごく強く共感しました。

私は私が楽しくて私のために歌っていますが、そのことで結果誰かを救えたり、共感してもらえたりしたら、こんなにうれしいことはないです。私のことを歌っている、と思ってもらえたら幸せですし、その気持を大切にして欲しいと思っています。

自分語りみたいになってしまいますね。すみません。

私の拙い感想文なんかよりこれを見てください
https://www.shodensha.co.jp/ikokunikki/

今は必要ない人も、過去の、未来のあなたには、必要な物語かもしれません。

是非一度読んでみてください。

今週もお付き合い頂きありがとうございました!
ランコでした~!

 

ランコ

(C)豚乙女

2月20日生まれ。血液型B型。
クリエーターグループ『豚乙女』のVo。
歌うために生まれてきた人間。
作詞では生々しい感情を吐き出している。
ファッション、特にタイツ、靴下など 足下お洒落に目がない。
趣味は二次創作。
Twitter:https://twitter.com/butaotome_ranko
公式webサイト:http://www.butaotome.com/
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