植木職人だったのはアニメだけ!? 『天才バカボン』パパの職業とは?
■バカボンのパパの職業は何?
原作とは違う!? アニメの中では働き者のパパ
『天才バカボン』は1971年よりアニメ化され大ヒット。原作者赤塚不二夫氏の代表作の1つとなりました。アニメの視聴者からは「バカボンのパパが原作では無職なのにアニメでは働いている!?」という疑問の声が…。一体どういうことなのでしょうか?

TVアニメ『深夜! 天才バカボン』公式サイトより
バカボンのパパはアニメの中で、飛行機会社のエンジンテスト係として就職しています。しかしその会社がパパの失敗で倒産。その後、植木屋に就職して植木職人になります。
これはアニメ化が決定した際に、主人公が無職では子供の教育に悪いという理由で制作者側が提案したのだとか。この件について赤塚氏は本意ではなかったようで、結局植木職人の設定は第1期のみになりました。
そもそも「バカボン」という名前の由来は「放浪者=vagabond(バガボンド)」からきたものだというのです。赤塚氏は“放浪者のように自由な主人公にしたかった”とのこと。そう考えると、バカボンのパパが定職に就くというのは納得がいかなかったのかもしれませんね。
“「パパ」であることがパパの仕事です”そう言った赤塚不二夫氏の真意とは?
『天才バカボン』の中で、破天荒な行動をして周囲の人を困らせているパパ。しかし家族に対しては常に惜しみない愛情を注ぎます。そして時折パパの口から発せられるセリフに、心揺さぶられた人も多いのではないでしょうか?
主題歌の歌詞にもなっている「それでいいのだ」に込められた意味。そこには「この世は難しいことが多く、なかなか思うようにはならないものなのだから気にするな大丈夫!」という赤塚氏のメッセージが込められています。
また赤塚氏は自身のインタビューで「ぼくは人が好き」と語っています。そんな彼の周りには自然と人が集まるのだとか。お酒を飲みながらたくさんの人と話す姿を見ていると、バカボンのパパに見えてくるから不思議です。
赤塚不二夫公認サイト内で「『パパ』であることがパパの仕事です。パパは、収入など野暮なことは気にしていません」と答えた赤塚氏。この言葉に、人と人との感情的な繋がりを大切にすることが一番大事だという真意が込められているのではないでしょうか。
(文=ザ・山下グレート)