実は有名監督がモデルだった? 『カードキャプターさくら』の嘘つきキャラ・山崎くん

■絶妙な嘘でみんなを惑わす山崎くん! 実は現実のモデルがいた?

映画監督の山崎貴さんがモデルだった!

2016年に16年ぶりとなる新編開始で反響をよんだ『カードキャプターさくら』。作中に登場する魅力的なキャラの1人として、流れるような嘘で主人公の木之本桜や李小狼をからかうクラスメイト・山崎貴史をご存じですか? 平然とした様子で嘘を放ち、桜や小狼たちを煙にまいている姿が印象的です。実はこの山崎くん、現実に生きている有名監督がモデルとなっていました。

「カードキャプターさくら」公式サイトより

モデルとなったのは山崎貴監督です。山崎監督の代表作といえば2005年に公開された『ALWAYS 三丁目の夕日』、最近では2019年公開の『アルキメデスの大戦』などが記憶に新しいのではないでしょうか。作者のCLAMPの皆さんは公式Twitterを介して「『カードキャプターさくら』の山崎君は、山崎貴監督のお名前から頂いた」とツイートしており、山崎監督と交流があったようです。また「(山崎監督は)昔はすぐ何でも信じた私達に、可愛い嘘を教えて下さいました(笑)」と話しているため、山崎くんのキャラクター性も“山崎監督に教わった嘘”から着想を得たのかもしれません。

山崎くんが放つ絶妙な嘘

CLAMPの皆さんと交流のあった山崎監督がモデルとなった山崎くん。いつも平気な顔をしながらつく嘘には、妙な真実味を感じることもしばしばあります。桜や小狼が作中で騙されてしまった嘘を取り上げてみましょう。

転校してきた小狼に山崎くんが日直の仕事を教えるシーン。「日直っていうのはねぇ、黒板をきれいにしたり、日誌を書いたり、休み時間に歌を歌ったり踊ったり、色々することがあるんだ」と山崎くんは語ります。普通なら“歌ったり踊ったり”はおかしいと気づくところですが、香港から来た小狼は「日本の学校にはそんなものがあるのか」と信じてしまう事態に。「さ、とりあえず黒板を綺麗にしよっか」と二人で席を立ってからも、最後まで「これ終わったら歌だよ」と嘘を貫く山崎くんでした。

続いて桜たちがビーチバレーで遊んでいるところ、海の中から突然山崎くんが登場して得意の嘘をお見舞いします。「ビーチバレーっていうのはねぇ、昔ハワイでヤシの実を使って海岸で遊んだのが始まりなんだ」という一見信じてしまいそうな話に、桜も「ヤシの実で?」と信じている様子。「でね、ヤシの実って硬くて重いでしょ」「なんでもビーチバレーでけが人続出したらしいよ」とここまで聞いても嘘か本当かよくわからない話に、桜は怖がるように「ほえええ」と声を漏らします。周りの友達は「嘘よ、嘘」「山崎くんのもっともらしい話は大体嘘」と山崎くんの嘘に慣れきった様子。ちなみにビーチバレーはバレーボールから派生して生まれたスポーツなので(諸説あり)、「ヤシの実を使って遊んだのが始まり」というのは嘘だったようです。

CLAMPの皆さんと交流のある山崎監督をモデルに描かれたキャラクター山崎くん。主人公たちを得意の嘘で翻弄する様子が印象的でした。2018年に新編「クリアカード編」もテレビアニメ化されているので、チェックしてみてはいかがですか?

(文=ザ・山下グレート)