『ルパン三世』にも影響? モンキー・パンチ先生の好きな作品は『トムとジェリー』

■ルパンと銭形警部のモデルはネズミと猫の追いかけっこ

『ルパン三世』は作者の好きなもの詰め合わせ

2021年にアニメ開始50年を迎えた『ルパン三世』。開始当時では珍しい、大人向けのアニメとして作られた制作意欲溢れる作品でした。ルパン三世が50年以上愛されている理由は、個性豊かなキャラクターたちにあるのではないでしょうか。各々のキャラクターでスピンオフのストーリーが制作されるなど、その人気ぶりが窺えます。今回はルパン三世誕生のきっかけから、ルパン三世の構成要素を見てみましょう。

「ルパン三世NETWORK」公式サイトより

原作者モンキー・パンチさんは、アニメ『トムとジェリー』が大好き。ルパン三世制作の際にも、トムとジェリーのコミカルな掛け合いを参考にしました。ルパンをジェリー(ねずみ)、銭形警部をトム(猫)に置き換えてみるとなんだか面影を感じますね。

ルパン三世を構成する要素は、コミカルさだけではなく完全無欠な格好良さもあります。ルパンのキャラクターイメージはクールで天才、そして女性に目がないという一面も。これは有名なスパイ映画『007』の影響を受けており、ジェームズ・ボンドと共通しているキャラクター感です。

ルパンはただの「あだ名」から「孫」へ路線変更

制作秘話を紐解くと、最初はルパンがアルセーヌ・ルパンと血縁関係になかったという逸話も飛び出します。「怪盗ぶりがまるでルパンのようだ」という、あだ名的位置づけでした。当時の担当編集者とのやり取りで、「めんどくさいから孫にしちゃえ」と言われたので『ルパン三世』が誕生しました。 モンキー・パンチさんが「勝手に孫にしちゃっていいのか?」と戸惑ったところ、“オマエの漫画がフランスに行くと思ってるのか?”と一喝されたそう。意外な誕生スタイルをもつルパン三世は、今となってはフランスを始め世界的大泥棒の名に恥じない作品になっています。

根強い人気を誇る『ルパン三世』は、近年も時代に合わせて常に新しい話題が目白押し。有名な泥棒のルパンに、同じく有名な名探偵のコナンと対峙させる企画も。作品の垣根を超越して、見る人を驚かせ続けています。世界に愛される『ルパン三世』の活躍ぶりに、これからも注目したいですね。

(文=ザ・山下グレート)