「異形」と「怪物」の深すぎる違いって!? ホラー好きミュージシャンが語る楳図かずおの魔力
豚乙女のボーカル、ランコです。
この連載は私が好きな漫画やアニメについて好きなように紹介していく記事・時々製作日記となっております。
さて、今回のテーマは「楳図かずお」の「こわい本シリーズ」です。楳図かずおと言えば中指と小指を折りたたんで「ぐわし!」というあのポーズのイメージが一般的にはあるのでしょうか?
実は私、ぐわしの元ネタである「まことちゃん」は読んだことがないんです。
実家にあった楳図かずおさんの漫画は「漂流教室」と「こわい本シリーズ」でした。しかしいつからか実家に「こわい本シリーズ」はなくなり(父親は「怖いから置いておきたくない。俺のじゃない」と言っていた)(しかし母も「私のじゃないわよ」と言っていた)(いったい誰のものだったんだ……)存在を忘れていたのです。漂流教室はあったのでたまに読み返したり、ドラマを見たりしていました。
今回友人にこの洋服をもらい、「いい機会だし読み返してみよう」と思ったのです。

(C)豚乙女
かわいい~。赤白ボーダーって本当にかわいいですよね。楳図先生よくお似合いです。
今回の「こわい本シリーズ」も電子書籍で書い直しました。本当につい最近再編集版が出たみたいですね。
楳図先生は蛇や蝶、仮面や鏡など、一般的に怖いとされているような様々なモチーフで、人間の怖いところを描きだすんですよ。美しかった人がどんどん醜くなっていったり、そもそもの美しい原因がその恐ろしいもののせいだったり。
読んでいたら結構覚えていたし、やっぱり今でも怖いんです。1960~1980年代に描かれているのに。生まれる前ですよ。
これってやっぱり楳図先生が恐怖の根源的なものを描いているからなのだろうなと思いました。
あと、色んな絵柄で描けるのもすごいなあと思います。掲載される雑誌によって絵柄を描き分けていたのだそうです。どれでも怖いのがまたすごい。すごいばっかり言ってるけど本当にすごいんだよなあ……
≪シリーズ3 狂乱≫の中の「肉面」や、≪シリーズ6 怪物≫の中の「楳図かずおの呪い第一話 / ビデオカメラに何が写ったか?」は良く覚えていました。シンプルに絵のインパクトが超強い。こわっ! て、声に出してしまうと思います。
≪シリーズ2 異形≫の「笑い仮面」には、形容出来ない切なさがあります。≪シリーズ8 異形2≫の「怪獣ギョー」も切ない。人間は愚か……。ちなみに「異形」と「怪物」の違いは楳図先生曰く心があるかないかなのだそうです。私は異形が大好きなのですが、人間の形をしていないものに人間の心が宿っているというのが、好きみたいですね。
それから≪シリーズ4 呪縛≫の「ダリの男」はすごい話です。語彙力がなくて申し訳ないんですが…… 説明するとネタバレになるので読んでください。最後のページを見た時ぞっとしました。こういうホラーが大好き。
感想を書いていくときりが無いんですが、読んでいくうちに、私の中にある「ホラーって笑えるもの」とか「ホラーの中に笑いがある」みたいなものは、楳図先生のおかげで培われたのではないか、と思いました。楳図先生も解説で「怖さの中に笑いを入れるとより怖さが引き立つ」とおっしゃっていましたし…… とは言え私は自分が怖がっているのが楽しくて、結局笑ってしまうのですが。(怖がりの人に言ったら怒られそうですね)
というわけで、ゲゲゲの鬼太郎に続き、私のホラーの原点とも言える「楳図かずお」の「こわい本シリーズ」についてお話しました。
是非漫画を読んでみてください! 怖いので!
楳図かずお大美術展が六本木ヒルズで3月25日までやっていますので、そちらもぜひ行ってください!
それでは次回もよろしくお願いします。ランコでした!
ランコ
(C)豚乙女
2月20日生まれ。血液型B型。
クリエーターグループ『豚乙女』のVo。
歌うために生まれてきた人間。
作詞では生々しい感情を吐き出している。
ファッション、特にタイツ、靴下など 足下お洒落に目がない。
趣味は二次創作。
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