めいけんチーズの最初の飼い主は“ジャムおじさん”ではない?
■『アンパンマン』のチーズは最初はあちら側のキャラクター
アンパンマン「犬はちょっと…」
『アンパンマン』シリーズは1973年に初めて絵本が出版され、1988年にアニメ放映が開始しました。現在でもアニメは続いており、とても歴史ある作品です。キャラクター数世界一としてギネス認定されているアニメ『それいけ! アンパンマン』。多様なキャラクターを今なお生み出し続けていますが、意外な設定を持つキャラクターも少なくありません。今回はアニメ初回放映から登場している、メインメンバーの一人『めいけんチーズ』の正体に迫ってみましょう。

「横浜アンパンマンこどもミュージアム」公式サイトより
アンパンマンの世界では人間はおらず、人型をしているジャムおじさんとバタコさんさえも妖精という設定に。登場するキャラクターは、動物がモチーフだったり食べ物の擬人化が大半です。それなのに主たる登場メンバーで、擬人化されることなく犬役として登場する異質なキャラクターが“チーズ”。どういった経緯でパン工場にやってきたのでしょうか。
チーズのストーリー上の初登場シーンは、サンリオの雑誌『月刊いちごえほん』にあります。そして実際に『いちごえほん』を見てみると、“チーズはばいきんまんの手下”という驚きの過去が…。そもそもアンパンマンには犬が苦手という設定があり、弱点を突くために連れてきた犬がチーズでした。敵役として連れてこられた犬に、バタコさんがチーズを与え手懐けた結果パン工場に住みついたのが始まり。チーズが好きだったから、『チーズ』と名付けられたんですね。
アニメでの設定は実にあっさりしている
出版物ではばいきんまんの手下だったチーズですが、アニメでは少々設定が異なります。アニメ公式ページには“森の中でおなかをすかせてないていたところアンパンマンが助けた”と紹介されており、“どこから来たのかは分からない”との記載も。チーズの名付け親がバタコさんであるという情報は、出版物とアニメで共通事項です。
今回話したチーズの正体のように、アンパンマンのキャラクター設定は“意外”の宝庫。世界一キャラクターが多い作品なので、改めて各キャラクターの正体を探ってみると思いがけない一面を多数発見できるかもしれません。
(文=ザ・山下グレート)