プリコネR「未解決な想い」は“神経質な性格”だから作れた曲? 作詞・作曲の出口遼が語る“作曲と人間性”

 

作詞、作曲家の出口遼です。

第一回で私の地獄のような作業スペースを晒したら、「勇気を貰えました!」というアマチュアの方からの有難いお声をいただいた反面、「テメェ仕事なめてんのか」という諸先輩方からのお叱りの言葉も頂戴してしまいました。反省しています。

作家って大概ダラシないものだと思うのですが、人間性って作る音楽にも出るのでしょうかね? 第二回は“作曲家と人間性”について、少しだけ触れていきたいと思います。

われわれ“商業作家”と呼ばれる人種は、そのお仕事の特性上、多種多様なジャンルの音楽に対応しなければならないシチュエーションが多いので、作り手のパーソナルな部分は比較的見えにくいものなのですが、それでも滲み出てしまうことがあります。おそらく、それこそを“個性”と呼ぶのだと思います。

手前味噌なお話ではありますが、例えば私の場合は“神経質な性格”が作用しているなあ、と感じる瞬間があります。いや嘘つけ、なんだあのダラシないダンボール机、と思われるかもしれませんが、私は昔から美しい図形や数字、デザイン、セオリーみたいな類いのものが大好きなのです。

例えば過去私が作らせていただいた楽曲だと、プリンセスコネクト! Re:Diveの「未解決な想い」という曲があります。

この楽曲は一聴すると、所謂普遍的なアニメ音楽のフォーマットで作っていますが、音楽的にアカデミックなポイントを随所に織り交ぜて、“如何にそれらを一般の方にバレないように仕込むか”を裏テーマに作った記憶があります。

作り方は簡単で、兎に角パズルのようにどうすれば一番自然に聴こえる音の組み合わせになるかを考え、ひたすら計算するだけです。簡単ではありますが手間はかかるので、もしこの曲を自分がリスナーとして初めて聴いたとしたら「あぁ、作った人間は神経質そうだな。性格悪そうだな」と思ってしまうと思います。

ポピュラーミュージックに限らず、音楽を高い解像度で聴くにはある程度の知識が必要になってきます。なんとなくとっつきにくい気になるものですが、ほんの少しの勉強で、大好きなあの楽曲を作った作者の意外な素顔まで見えてくるかもしれませんよ。

 

出口遼(でぐちりょう)
1992年2月20日生まれ。埼玉県出身。
2011年、音楽学校在学中の19歳で作曲家デビュー。以降アニメ音楽を中心に作詞家、作曲家、編曲家、ベーシストとして活動。
Twitter:@deguchi0220