『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』に『マイティ・ソー』まで！？ 様々なエッセンスを取り入れた日本の戦隊ヒーロー『デンジマン』
【一色萌のスーパー戦隊コラム】第15回「電子戦隊デンジマン」
日刊ビビビをご覧の皆さま、こんにちは。
XOXO EXTREME（キスアンドハグ エクストリーム）の一色萌（ひいろ・もえ）です。
少し遅めのご挨拶となりましたが、新年明けましておめでとうございます。
新しい一年の始まり、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
（C）Twelve-Notes
私はというと、数ヶ月前に狂ったように注文した『海賊戦隊ゴーカイジャー』の10周年記念グッズ類がものすごい勢いで届き始め、年末年始は段ボールの開封に明け暮れていました。
グッズというものは実用性うんぬんに関わらずファン心理として買わずにはいられないもので、購入する時はどんなに心惹かれていても、結局もったいなくて開封すらできなかったり、「これは普段使いできるから」の言い訳で入手した“いつ使うかわからない普段待ちグッズ”の山の裾野を広げて終わってしまうことがままあります。
何度もそういったことを繰り返すうちに反省するかと思いきや、大抵の場合どんどんエスカレートしていくあたり、ヲタクという生き物の背負った業の深さを感じます。
でもまぁいいじゃない。
10周年なんだもの。
そんな言い訳の末、私の四畳半の自室の壁には不相応に大きな海賊旗がはためいています。
届いたグッズの一部。まだまだ届きます（C）Twelve-Notes
見よ、その後の礎！ スーパー戦隊シリーズの基本となった4作目
『電子戦隊デンジマン』の放送開始は1980年。『バトルフィーバーJ』の次作として制作されました。
『デンジマン』は、3000年前にデンジ星を滅ぼしたベーダー一族の魔の手から地球を守るため、デンジ星の超科学を駆使して戦うヒーロー。
当時の『未知との遭遇』（1977）や『スター・ウォーズ』（1977）の爆発的なヒットを受け、流行を取り入れたSF的な要素がふんだんに盛り込まれています。
スーパー戦隊シリーズの長い歴史の中でもイレギュラーな要素の目立つ『ジャッカー』や『バトルフィーバー』を経て、改めて長期シリーズ化を意識して『ゴレンジャー』に立ち戻った、という点が本作のポイントのひとつです。
赤・青・緑・黄・ピンクの色分けや目元部分の黒いマスク、“戦隊”という名称、〇〇レッドという呼び方、そして『バトルフィーバー』で獲得した巨大ロボという要素は以降、現在まで続くスーパー戦隊シリーズの最も基本的なフォーマットとなっています。
超科学の力！多彩なメカニックに注目
『デンジマン』には、デンジ星の科学技術によって人知を超えた、数々の超兵器が登場します。
中でも注目したいのは、花形メカである巨大ロボ・ダイデンジン。
戦闘母艦・デンジタイガーから発進する大型戦闘機・デンジファイターが人型に変形することで完成するそれは、スーパー戦隊シリーズ初となる変形ロボとなっています。
私も小さい頃には、変形ロボの精巧な作りに感動したり感心したりしながら夢中になって遊んだので、ダイデンジンがその基盤を作ってくれたのだと思うと赤・青・黄の鮮やかな三色の躯体がとても神々しく見えてきます。
ドラマ面では敵の内紛劇の迫力が凄まじく、ただのやられ役では収まらない魅力的な悪役というのも、この辺りから際立ってきたように思います。
ちなみに『バトルフィーバー』の際にミス・アメリカの登場で話題となった、マーベル社との業務提携は本作でも続いており、敵の女幹部・ヘドリアン女王のデザインには『マイティ・ソー』に登場する死を司る女神・ヘラのオマージュが見られます。
『Wヒーロー夏祭り 2021』会場に展示されていたスーツ。頭のデンジメカ部分をじっくり見てしまいます（C）Twelve-Notes
余談ですが、デンジマンや巨大ロボ・ダイデンジンの胸にあるマークは「エコ」ではなく「D」なんだそうです。恥ずかしながら、私は長い間「エコ」だと思っていました……。
でも、なんでエコって書いてあるんだろう……？と、小さい頃不思議に思っていた方、けっこう多いのではないでしょうか。
「エコ」に限らずとも、小さい頃に憧れたヒーローを改めて見ることで、初めて気づくこともきっと多いはず。
大人になったからこそわかる！ という楽しみ方ができるのも、スーパー戦隊シリーズの醍醐味だと思います。
●次回は『太陽戦隊サンバルカン』をご紹介します！
（C）Twelve-Notes
一色萌（ひいろ もえ）
5月27日生まれ。東京都出身。双子座のA型。
プログレアイドルXOXO EXTREME（キスアンドハグ・エクストリーム）赤色担当。
MOGU2 NEWS 「キスエク・一色萌のアイドル、色々。」連載中
Twitter：@hiiro_moe
XOXO EXTREME Official Site：https://www.xoxo-ex.com/
