シリアスすぎて打ち切りのヒーロー戦隊!? 現在の戦隊シリーズに大きな影響を与えた衝撃作「ジャッカー電撃隊」

 

日刊ビビビをご覧の皆さま、こんにちは。XOXO EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム)の一色萌(ひいろ・もえ)です。

『機界戦隊ゼンカイジャー』も終盤に入り、物語もどんどんシリアスな雰囲気に… 全然なりませんね!!! 笑

記事を執筆している現在はクリスマス直前といった時期なのですが、ついこの間お盆&お正月回をやっていました。不条理コメディ路線が大好物の私は毎週本当に楽しく視聴しているのですが、もうすぐ終わってしまうことが本当にさみしいです。。

さて、気を取り直して。
連載再開しての第2回となる今回からは、以前の連載で触れることができなかったシリーズを順番にご紹介していきます!

【一色萌のスーパー戦隊コラム】第14回「ジャッカー電撃隊」

(C)Twelve-Notes

ゆくぞシリアス路線!悲しき4人のサイボーグ
『ジャッカー電撃隊』の放送開始は1977年。

予定外の大ヒットとなり、2年近く放送が続いていた『秘密戦隊ゴレンジャー』の後継番組として制作されました。

エンディングテーマの「いつか、花は咲くだろう」の歌詞に

“平和を守っておれたちは 命もすてた 身もすてた”

とあるように、ジャッカー電撃隊はそれぞれの理由で機械化手術を受けたサイボーグの4人組です。

核エネルギー、電気エネルギー、磁力エネルギー、重力エネルギーという異な特殊能力を持ち、その力を使って犯罪シンジケート・クライムから世界の平和を守ります。

『ゴレンジャー』が明るい作風のコメディ色が強い作品であったのに対して、『ジャッカー』はハードなシリアス路線が印象的な作品となっています。

その他にも当時流行していたスーパーカーを使用するメカのモチーフに取り入れていたり、“◯◯レンジャー”や”◯◯マン”のような名称ではなかったり、追加戦士を投入してみたりと、スーパー戦隊シリーズの大まかなフォーマットが定まる以前に色々な趣向を凝らそうとした形跡が所々に散見されます。

特に戦闘シーンで単純なキックやパンチといった技以上に、それぞれの特殊能力を活かした個性的なアクションが目を引きます。

個人的には、ハートクインの磁力パワーの演出がキラキラとしてかわいいのでお気に入りです。

しかしながらシリアスな物語展開はあまり子どもたちの支持を得ることができなかったようで、23話で前作『ゴレンジャー』でアオレンジャーを演じた宮内洋さんが、ジャッカー電撃隊の行動隊長・ビッグワンとして颯爽と登場します。

このビッグワンがめちゃめちゃ強くて、めちゃめちゃかっこいい、、!

彼の登場によって作品の雰囲気も少し明るめの方向へシフトしていくのですが、残念ながら本作は35話で打ち切りとなってしまいました。

放送期間で見るとあまりふるわなかった印象が強くなってしまう『ジャッカー』ですが、その影響が後世に残っていないとは私は思っていません。

現在放送中の『ゼンカイジャー』の4人の機械生命体+白いセンターという編成を初めて見た時、私の最初の感想は「ジャッカーみたい!」でした。

それぞれのモチーフとなっている作品は公表されていて、センターであるゼンカイザーのモチーフが秘密戦隊ゴレンジャーのアカレンジャーであることは紛れもない事実なのですが、白いマスクやカラフルなライン、赤いマントなどの共通点にはビッグワンの影響を感じます。

『ゴレンジャー』『ジャッカー』の2作で石ノ森原作のスーパー戦隊番組は終了となりますが、2年後の1979年には原作を東映映像本部テレビプロデューサーの共同ペンネームである「八手三郎」に変え、『バトルフィーバーJ』が制作されます。以降現在まで連綿と続く一大シリーズとなりました。

放送回数が少ないということは、逆に言えば手軽に視聴することができるとも言えます。

年末年始のお休みにいかがでしょうか。

●次回は『電子戦隊デンジマン』をご紹介します!

 

(C)Twelve-Notes

一色萌(ひいろ もえ)
5月27日生まれ。東京都出身。双子座のA型。
プログレアイドルXOXO EXTREME(キスアンドハグ・エクストリーム)赤色担当。
MOGU2 NEWS 「キスエク・一色萌のアイドル、色々。」連載中
Twitter:@hiiro_moe
XOXO EXTREME Official Site:https://www.xoxo-ex.com/