同じ曲でも歌詞が違う!? 「ふたつのスピカ」OPには別視点の歌がある

■別名だけど同じメロディー!

歌詞はまったく違う?

有人宇宙探査ロケット「獅子号」のパイロットだった幽霊と、少女アスミの交流を描いたアニメ「ふたつのスピカ」。同作のOP「Venus Say…」は、2006年に解散した女性6人組のヴォーカル&ダンスユニットBuzyが歌っています。歌詞はポルノグラフィティの新藤晴一さんが担当。「弱き旅人よ引き返すがいい」とインパクト抜群な出だしは、聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか?

NHKアニメワールド「ふたつのスピカ」公式ページより

そんな「Venus Say…」ですが、じつは同じメロディーで歌詞が異なる「鯨」という曲が存在します。「鯨」では「生まれ落ちた罪生き残る罰」と、「Venus Say…」とはまったく異なる歌詞が展開。その後に出てくる「一瞬のトキメキ永遠のサヨナラ」「いつかは許して下さい」といった言葉も、「Venus Say…」では見当たりません。

歌詞がリンクしている!

なぜ歌詞が異なるのかと言うと、「Venus Say…」と「鯨」はそれぞれ異なる視点で歌詞を書いているから。例えば「Venus Say…」では、最初以外にも「幾千の旅人が私に祈る時は」など旅人に対して話しかけるような歌詞が続きます。

一方「鯨」は旅人自身を鯨に例えた歌のよう。例えば「鯨」に出てくる「止める言葉も聞かずに陸に上がってしまった」という歌詞は、旅人に大人しくしていればいいと語っていた「Venus Say…」に繋がります。

さらに「鯨」の後半では「恋したのも罰?」など恋愛を想像させる歌詞も登場。「Venus Say…」の「お前が探してる愛があるというの」も、恋愛に悩む旅人を見ている歌だと言えそうですね。

共通のメロディーながら違う歌詞が使われた2曲。両方を聴くことで、より曲の世界観が広がりますよ。

(文=ザ・山下グレート)