初っ端から歌詞が矛盾!? 「サザエさん」のエンディングに2番が選ばれた理由

■お馴染みの出だしは1番じゃない!?

サザエさんの家を思い出してみると……

1969年に放送がスタートして以来、長く愛され続けている国民的アニメ「サザエさん」。同作のエンディングと言われたら、多くの人がすぐに「大きな空を眺めたら」という出だしを思い浮かべるでしょう。

しかし日曜のお茶の間にすっかり馴染んだ歌詞が、1番では無いことを知っていますか?

「サザエさん」公式サイトより

エンディング曲「サザエさん一家」の始まりは本来、「二階の窓を開けたらね」という歌詞。その後も「朝の光が差しこんだ」「とても素敵な日曜日」など、アニメでかかっている曲とはまったく違う歌詞が続きます。

一見普通の歌なのになぜ1番は没になったのかというと、サザエさんの家を思い出してみてください。磯野家は間取りは広いものの、平屋なため2階は存在しません。

つまり作中の設定と冒頭の歌詞が矛盾してしまうため、アニメで流れる「サザエさん一家」には2番が使われているのです。

後半は3番の歌詞を使用

2番の歌詞が使われた理由は納得できましたが、「サザエさん一家」にはさらに謎が。というのも、後半の「ホラホラみんなの声がする」は3番の歌詞なのです。

該当部分は2番だと「ホラホラ明るい声がする」で、別にそのまま使っても問題なさそうな歌詞。ただ抽象的に「明るい」と言われるよりは、「みんなの声」と言われた方が家族が多くて賑やかな「サザエさん」には合っている気がします。

ちなみに最後の「サザエさんは愉快だな」も1番と3番にある歌詞。2番では「サザエさんは元気だな」と歌われています。

アニメ版の「サザエさん一家」は特に作品に合うワードをチョイスした、こだわりのエンディングなのかもしれませんね。

(文=ザ・山下グレート)