戦隊ヒーローの戦いに女子高生が賭ける世界!? 驚きの展開を詰め込んだ映画「テン・ゴーカイジャー」の魅力
日刊ビビビをご覧の皆さま、初めまして! 二度目ましての方は、二度目まして。
XOXO EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム)の一色萌(ひいろ・もえ)です。
全12回の更新で一旦終了となった本連載ですが、このたび再度お声かけいただき、連載を再開・継続させていただけることになりました!
これもひとえに日刊ビビビ編集部の皆さま、そしてこれまでの連載をご覧くださっていた皆さまのおかげです。これからも大好きなスーパー戦隊についてお話しできる場をいただけること、大変嬉しく思っています。

改めましてよろしくお願いします!/(C)Twelve-Notes
さて、心機一転の初回となる今回は勝手に特別編とさせていただきます。
本連載のカムバックとかけまして今秋期間限定上映された『海賊戦隊ゴーカイジャー』の10周年記念映画『テン・ゴーカイジャー』についてお話ししていきます!
この原稿を執筆している現在は絶賛上映中なのですが、更新日を迎える頃には上映が終わっている頃だと思いますので、多少のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意くださいませ。

初日に見に行ったのですが、グッズ類は全商品完売でパンフレットとクリアファイルしか買えませんでした…。恐るべしゴーカイジャー人気!/(C)Twelve-Notes
『海賊戦隊ゴーカイジャー』については以前の連載でも紹介させていただきました通り、スーパー戦隊シリーズの中でも私が特にお気に入りのシリーズです。
⇒https://www.n-bibibi.com/archives/27447
10年前『ゴーカイジャー』がシリーズの歴史と魅力を教えてくれたからこそ、今の私があると言っても過言ではありません。
東映の特撮シリーズでは10周年や15周年などの節目にVシネマの制作や記念グッズが発売されることが恒例なので、絶対に記念映画があるはず、と10年前から楽しみにしていただけに、今回の映画公開が発表された時の喜びはひとしおでした。
「もうこの星には守る価値はないのでしょうか」
映画の舞台はゴーカイジャーが宇宙帝国ザンギャックから地球を守った10年後の地球。
ゴーカイジャーの集めた歴代戦隊のレンジャーキーの力を使って実体化させた戦士たちを戦わせ、賭け事をする公営ギャンブル「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」が老若男女問わず大流行している場面から始まります。
小さな子どもや女子高生が「シュリケンジャー様に5000円賭けちゃお!」なんて話す場面は冒頭からなかなかショッキングなものでしたが、さらにゴーカイジャーの6人が共に生活し、時には巨大ロボに変形して戦ってきた海賊船・ゴーカイガレオンは沈み、チームは解散してお互いの消息も分からず、唯一の地球人メンバーであったゴーカイシルバー・伊狩鎧はダービーコロッセオの運営に協力している、というファンからすればかなり絶望的な状況から始まります。
かつて味方だったメンバー同士が対立する、という展開自体はよくあるもののように思えますが、そこまでする!? と思わず心配になってしまうほどバラバラでどうしようもない状態からのスタートというのは、何とも掟破りで破天荒なゴーカイジャー“らしい”な、と思ってしまいました。
「ダテに10年、スーパー戦隊やってないんでな」
テレビ放映当時の『ゴーカイジャー』は、一つのシリーズとして海賊たちの物語を紡ぐと同時に、“スーパー戦隊シリーズの35周年記念作品である”という大きな主題を内包していました。
その人気はメンバーたちの強烈な個性と魅力によるものがもちろん大きいのですが、一方で“歴代の戦隊にどんどんチェンジする”というギミックもまた、関心を惹きつけた大きな要素でした。
このチェンジを楽しみに毎週視聴していたという人も多かったはずです。
しかし今回の映画中に見られる本人以外の変身は、ゴーカイジャーより後のシリーズのレッドと、ゴーカイイエローであるルカとゴーカイグリーンであるハカセがお互いのレンジャーキーを交換して変身する2場面しかありませんでした。
イエローとグリーンの逆転チェンジはテレビシリーズ第27話のルカとハカセの中身が入れ替わるエピソードを踏まえた、ファンに向けての粋な演出なのですが、上記のエピソード内ではあくまで中身が入れ替わっただけで変身後のスーツはそのままでした。
しかし今回の疾走感のある展開の中でさらっと行われるこのチェンジは、スカート姿のゴーカイグリーンとスカートのないゴーカイイエローという、当時見ることのできなかった完全なる逆転チェンジであり、「ゴーカイジャーが別のゴーカイジャーにゴーカイチェンジする」という画期的なシーンです。
スーパー戦隊の大いなる力を借りて歴代の戦隊にチェンジしてきたゴーカイジャーが、10年の時を経て自身も大いなる力を持つスーパー戦隊の一員となったのだ、ということを実感できる演出でした。
歴代戦隊へのゴーカイチェンジを抑えてもなお35周年記念戦隊としてのサービス精神は健在で、主題歌を歌唱していた松原剛志さんが敵幹部を演じていたり、ダービーコロッセオの解説員として、本編中では死亡したバスコ・タ・ジョロキア役の細貝圭さんと、『魔法戦隊マジレンジャー』でマジイエロー役を演じ、スーパー戦隊親善大使として活躍されている松本寛也さんが登場したり… と、その文脈に気づけば思わずニヤッとしてしまうような人物がたくさん登場します。
何度も見て小ネタを探すのも楽しいでしょう。
さらに今回の見どころの一つとして、沈んでしまったゴーカイガレオンの“大いなる力”を使ってパワーアップ装備を追加する、というものがありました。
変身後のビジュアルは正直やや無理がある感は否めないものの、「巨大ロボ戦がなくても絶対にゴーカイガレオンを登場させるんだ!」という強い意志のようなものを感じられて私はとても好きでした。

海賊旗!/(C)Twelve-Notes
まさしくゴーカイジャーによるゴーカイジャーのための10周年記念作品であった『テン・ゴーカイジャー』。
10年の時が経っても誰ひとり欠けることなく、カッコよく成長した姿でスクリーンに帰ってきてくれたことが一ファンとして本当に嬉しいです。
映画館での上映を見逃してしまったという皆さまも、DVDやBlu-rayで発売されますので是非機会があればご視聴ください。気が早いようですが、20周年が今から楽しみです!
次回以降はこれまでの連載で取り上げることのできなかったシリーズのご紹介をしていこうと思います。
改めまして引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
●次回は『ジャッカー電撃隊』をご紹介します!

(C)Twelve-Notes
一色萌(ひいろ もえ)
5月27日生まれ。東京都出身。双子座のA型。
プログレアイドルXOXO EXTREME(キスアンドハグ・エクストリーム)赤色担当。
MOGU2 NEWS 「キスエク・一色萌のアイドル、色々。」連載中
Twitter:@hiiro_moe
XOXO EXTREME Official Site:https://www.xoxo-ex.com/