舞台の空気感を音楽で表すには? 舞台音楽の作編曲家が制作の裏側を解説!
谷ナオキの音楽で書けない話 第3回
舞台 アサルトリリィ-御台場女学校編-「The Singular Ability」の話 前編
季節の変わり目ですね。外に出るまで今日が暑いのか寒いのかわからず困惑することも多いですが、作編曲家の作業部屋は大体、機材の熱で冷房つけないと凄く暑いです。
谷ナオキです。
さて今回は先日まで公演されていた舞台アサルトリリィ御台場編について書かせていただけたらと思います。どうぞお付き合いの程よろしくお願いいたします。
(ちょっと舞台アサルトリリィ音楽コラムみたいになりつつありますが、そのうち他のことも書きます!…恐らく!)

(C)アゾンインターナショナル・acus
・音楽制作でラッキー? だった部分
今回の音楽制作にあたっての一番主軸となった部分は実は着手の前にできていて、というのも元々、御台場女学校自体は2020年の舞台「アサルトリリィ The Fateful Gift/League of Gardens 」2作品で初めてキャラクター登場し、そこから今回のスピンオフに至ったのですが、上記の作品中で御台場の曲(当時はLGロネスネスの曲って扱いでした)がもう既にあって、そこから膨らませていく形でスタート出来たのは少し棚からぼた餅というか正直、ラッキーでした。笑
・アサルトリリィ-御台場女学校編-の音楽テーマ
本作プロデューサーの林さんや演出佐野さんらと御台場の劇中音楽について最初のミーティングの際に「どういった方向性にするか」というテーマで話す中、ロックがいいんじゃないかジャズが良いんじゃないか等の案はでつつも、一貫して今までの舞台アサルトリリィシリーズとは違う方向性にしたいとのお話があったので、「女の子たちが強がって背伸びをしている感じ」を踏襲してのジャズテイストだったりファンクだったりブラックミュージックな感じを少し取り入れた少しお洒落な雰囲気をアサルトリリィの枠の中で表現するという形に落ち着きました。

(C)LOVE ANNEX
同じモチーフ(メロディのパターンの事)の多用は群像劇を意識して今までの舞台アサルトリリィ作品であまりやってこなかったので、どうなるかなーとは思ったのですが結果的に学校の雰囲気を少しそれで補完できたような気がします。
多分、御台場のみんなは、等身大より少し大きめに振る舞ってでもそれが隠し切れなくなっちゃうような部分があるような気がしていて、そんな空気感が少しでも音楽で表現できてお客様に伝わっていれば嬉しい限りです。
本公演はコロナ禍における公演ということでキャスト、スタッフ含め恐らく僕の知らない所でも最新の注意を払って行われた本公演でしたが、大変沢山のお客様から好評をいただきましてご覧になっていただいた皆様においてはこの場を借りて改めてお礼申し上げたいと存じます。
さて今回はこんな感じにさせていただければと!
次回(の予定)はOP曲「背中を合わせて」と個人的にお気に入りな曲でもあるED曲「蝶よ花よじゃいられない」についてお話しさせていただければと思います。
今回も拙文のお目通しありがとうございます!
季節の変わり目なので皆様くれぐれもご自愛ください。
谷ナオキ(たに なおき)

(C)LOVE ANNEX
7月16日生まれ 大阪出身 蟹座のA型
作編曲作詞家、趣味はゲームと散歩。
アサルトリリィプロジェクト「君の手を離さない」作編曲・作詞、
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト劇中歌「わがままハイウェイ」作編曲、TVアニメ ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会エンディング主題歌「NEO SKY, NEO MAP!」編曲などを担当