2010年代のヒーロー戦隊は2作続けて“掟破り”!? ギャラクシー賞も受賞した異例の戦隊ヒーロー

 

【一色萌のスーパー戦隊コラム】第11回「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」

日刊ビビビをご覧の皆さま、こんにちは。
XOXO EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム)の一色萌(ひいろ・もえ)です。

前回は前代未聞の大人数でスーパー戦隊シリーズの歴史を変えた、『宇宙戦隊キュウレンジャー』をご紹介しました。

正直、当時はそのあまりの衝撃に「これ以上の変わり種はそうそうないだろうなぁ」と思っていたものですが、その予想ははかなくも翌年に崩れ去ります。

今回取り上げるのは、2018年放送開始のシリーズ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』。

警察と快盗という敵対するモチーフで戦隊VS戦隊という形式をとり、2つのチームが主役として同じ舞台で物語を展開していく本作。2作続けての”掟破り”はどのように展開されたのか、ご紹介したいと思います!

失ったものを取り返すために戦う快盗、世界を守るために戦う警察。君はどっちを応援する?
「戦隊vs戦隊」の形式のタイトルは、映画やOVなどのスピンオフ的位置付けの作品として現行の戦隊から新しい戦隊への引き継ぎの時期によく見られるものですが、一年を通じ、はっきりと敵対するチームとして2つの戦隊を描く本作は前例のないものでした。

お決まりである悪の組織ももちろん登場しますが、初めから悪役という立ち位置ありきで描かれる敵よりも、怪盗vs警察という相対するチームとして登場し、時に味方、時に敵と立場を変えて視聴者の感情を揺さぶる構図が見応えのあるドラマを生んでいます。

(C)Twelve-Notes

異例づくめの今作は、キャスティングにもかなりのこだわりが見えます。
3人チーム×2の編成で、パトレンジャーはレッド・グリーン・ピンク、ルパンレンジャーはレッド・ブルー・イエローという振り分けになっています。

作品内で配色が被らないように、なおかつそれぞれのチームごとに見ても十分に魅力的なキャラクターを発揮できるように、絶妙なバランスのメンバー構成です。特筆すべきは唯一の色かぶりであるレッドのキャラクターでしょう。

パトレンジャーのレッドであるパトレン1号・朝加圭一郎は真面目で熱血な古きよきリーダータイプ、対してルパンレッド・夜野魁利は軽いノリで飄々とした態度が印象的な今どきの青年という、異なるタイプのキャラクターに設定されています。

どっちのレッドが好き? なんて語り合ってみるのもおすすめです!

また、モーニング娘。の元メンバーである工藤遥さんがルパンイエロー役に抜擢されたことは、スーパー戦隊ヲタクであると同時にアイドルヲタクでもある私としては言及しておきたいところです。

最近の傾向として特撮作品はキャリアの短い若手俳優さんがキャスティングされることが多く、一年を通してキャラクターとともに演じ手が成長する様子を見守ることもファンの楽しみの一つとなっているところがあります。そんな中、すでに国民的アイドルとしてキャリアのある彼女は作中に大きな存在感と意外性をもたらしました。

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ドラマ作品としての評価が非常に高く、スーパー戦隊シリーズとして初のギャラクシー賞(テレビ部門2019年2月度月間賞)を受賞した本作。

子どもから大人まで楽しめる! のがスーパー戦隊シリーズの醍醐味ではありますが、特に「大人にこそ見て欲しい」「スーパー戦隊にあまり馴染みがない方でもドラマとして楽しめる」作品をひとつ挙げるとするならこの作品かなと思います。

さて、あなたは警察と快盗、どちらを応援しますか?

●次回は最終回。『機界戦隊ゼンカイジャー』をご紹介します!

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一色萌(ひいろ もえ)
5月27日生まれ。東京都出身。双子座のA型。
プログレアイドルXOXO EXTREME(キスアンドハグ・エクストリーム)赤色担当。
MOGU2 NEWS 「キスエク・一色萌のアイドル、色々。」連載中
Twitter:@hiiro_moe
XOXO EXTREME Official Site:https://www.xoxo-ex.com/