『食戟のソーマ』EDはバンド史上最も強い!? nano.RIPEきみコが明かす制作秘話

 

nano.RIPEのきみコです。

テレビアニメ『食戟のソーマ 弐ノ皿』エンディング主題歌の座を懸けてメンバー内コンペを行ったぼくら。今回は、それぞれの曲について解説してゆきたいと思います。

(C)ハイウェイスター

まず、あたしが作ったのは「等身大のぼくら」をテーマにしたウタ。

料理を音楽に置き換えて、これまでの挫折や葛藤、なかなか言葉にはできなかった認めたくないような感情も含め、とにかく赤裸々に描くこと、それを大事に作りました。弱肉強食の世界、そこで生き残る術… 少し強めの言葉も入れつつ、だけどあまり痛々しくはならないようメロディーはポップに。

あたしなりの挑戦をいろいろと取り入れ、渾身の1曲が完成しました。

対するギターササキジュン。
尖ったメロディー、鋭いギター、希望よりも絶望、これまでのnano.RIPEの中でもとびきり暗くて強い、そんな曲が届きました。

きっと思いはおなじだったのだと思います。だけど、彼は歌詞を書かないのでその思いがすべてサウンドに向かった結果の曲。提出前にもちろんあたしが歌詞を乗せるのですが、メロディーとサウンドから引き出された言葉は、先述したあたしの曲でも決して使わなかったさらに強くて鋭い言葉たち。

書きながら「あたしはこんな気持ちを隠していたのか」と、自分でも少し怖くなってしまうほどでした。

そうして提出した2曲。
選ばれたのはササキジュンの曲でした。

タイトルは「スノードロップ」。

冬の寒さにも負けず咲く強い花で、花言葉は希望、慰め。ですが、その裏で「死」を意味する花でもあるとか。そのアンバランスさと毒々しさが曲にピッタリで命名しました。

アニメエンディングの絵では、創真がスノードロップの花畑の真ん中で眠るシーンも。とても美しく、どこか怖い、初めて観た時は思わず鳥肌が立ってしまうほどゾクッとしたのを覚えています。

ちなみに、コンペに敗北したあたしの曲は「システム」という曲で、「スノードロップ」のカップリングに収録されています。

こちらも紛れもなくソーマ曲ですので、是非あわせてお楽しみくださいね。

次回は、テレビアニメ『食戟のソーマ 餐ノ皿』エンディング主題歌「虚虚実実」についてお話してゆきたいと思います。

 

きみコ

(C)ハイウェイスター

3月12日生まれ、千葉県出身。
ロックバンド nano.RIPEのVo.とGt.として
アニメ「花咲くいろは」「のんのんびより 」「食戟のソーマ」など数々の作品の主題歌やキャラクターイメージソングなどを手掛ける。
Twitter:@nanoripekimiko
instagram:@nano.ripe
バンドHP:http://nanoripe.com/