天堂家物語 46話 ネタバレ 絢爛豪華な舞踏会でそれぞれの苦悩や焦燥、思惑が交差する!
■らん・雅人、もやもやした思いを抱えながら舞踏会へ
操をエスコートし、雅人登場
2021年7月21日に発売された『月刊LaLa』9月号。『天堂家物語』第46話は、小山内男爵邸で開かれた舞踏会でのお話。小山内家の令嬢・常子へのフォーカスから始まる。

『月刊LaLa』公式サイトより
「今度の縁談は上手くまとまるといいわねえ」伯爵との縁談を断った常子に小言を言う小母。そこへ常子の姉・清子が助けに割って入り、次の縁談相手の天堂隼人様はきっと素敵な方よ、と励ます。そんな2人の前に雅人と操が現れ、その美しさに姉妹は言葉をなくす。目の前の美しい人が自分の縁談相手かと期待した常子だったが、雅人が自己紹介をし隼人ではないと判明する。それでも雅人に胸をときめかせる常子。妹の胸中を察した姉が機転を利かせ、常子と雅人はダンスをすることに。
地獄の始まりを告げる操、逃げるらん
一方、布で顔を隠したらんは一人会場の椅子に座り、雅人からキスをされたことを思い出していた。いつもどおりに見える雅人を見つめ、「あんなこと誰にでもするんだろうか」「私ばかり気にしているみたいだ…」と悩むらんの前に操が現れる。そして妖しい笑顔で「せいぜい浮かれているがいい 胸の高鳴りは地獄の始まりだ 私を愉しませてくれ……」と言うのだった。
会場から姿を消したらんを探しに行く雅人。しかし小山内邸は安全だと考え、廊下の椅子に腰を下ろし思いを巡らす。らんは自分のことを意識しているようだが、思い通りにならず何を考えているのかさっぱりわからない。それでもらんは自分のものだ、しかしなぜ自分がらんのことでこんなにも悩まなくてはいけないのかと苛立ちを露にする。
自分が偽物であると操にバレていること、雅人の隣に相応しくないということ。焦りや劣等感を抱えて舞踏会から逃げてきたらんは庭のベンチに腰かけていた。するとその背後から不審な男が不意に現れ、驚いたらんの手を取り「可愛い恰好してるのに何で泣いてんの? 久し振りらんちゃん」と微笑んだ。
読者からは「ふたりのすれちがいがもどかしくてドキドキする」「操様怖い!」といった声が上がっている。波乱の種があちらこちらで芽吹く予感の舞踏会、次回も要注目だ。
(文=上原ししき)