『花咲くいろは』劇場版主題歌はインディー時代の秘蔵曲だった!? Vo・きみコの「影踏み」への思いとは
日刊ビビビをご覧の皆様、こんにちは。
nano.RIPEのきみコです。
『花咲くいろは』再放送もいよいよ折り返しとなりました。2クールだとたっぷり楽しめて嬉しいのですが、そんなことを言っていたらあっという間に最終回を迎えそうな気もしています。
さて、『花咲くいろは』3本目となる今回のコラムは、いよいよ『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』主題歌「影踏み」について綴ってゆきたいと思います。

(C)ハイウェイスター
2013年3月より石川県内の4劇場で先行公開、間もなく全国公開となった劇場版。テレビアニメ放送終了後に新作映像の発表はあったものの、劇場版だと思っていた方はそう多くなかったのでは。
ぼくらは、聞かされた時とても驚きました。同時に、nano.RIPEの曲が映画館で流れるという事実にすごくワクワクしたことを覚えています。
主題歌のお話をいただいてすぐ、インディーズ時代より大切に歌ってきた「影踏み」が頭に浮かびました。もちろん新たに書き下ろすことも考えたのですが、シナリオを読むうちにますます「主題歌は「影踏み」しかない、このためにこの曲はリリースせずに今日まであったのだ」と思うようになり、制作会社であるP.A.Worksにその思いを告げたところ、二つ返事でOKをいただいたのです。
今思えば、あたし個人の勝手な思い入れであったのかもしれません。だけど、そんな個人的な思いを伝えることができたのも、『花咲くいろは』という作品がぼくらの曲を全面的に信頼してくださっていたからだと思います。
「私、もっと輝きたいんです…!」をキャッチコピーとした劇場版は、テレビアニメでは語られることのなかった家族の話を中心に、“輝きたいひとに贈る、人生の応援歌”というテーマで作られており、今も立ち止まってしまう日があると無性に観たくなる作品です。
目標に向かって頑張っている人はもちろん、それが見つからなくて歯痒い日々を過ごしている人にも、きっときっと力をくれる物語。

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2013年3月、ぼくらはちょうどツアーで北陸へ行っていたので、ツアーのオフ日にメンバー全員で映画館へ行きました。(写真は映画後に乾杯しているところ)
物語が終わり、余韻に浸ろうとしたその瞬間、「きみと目が合うたび~」と聴き慣れた歌声が大音量で流れてきて一瞬で我に返ったことを今でもよく覚えています。
こうして、主題歌、挿入歌、イメージソング、合わせて9曲もの楽曲を使っていただいた『花咲くいろは』。改めて、ぼくらにとって欠かすことの出来ない大切な作品です。
『花咲くいろは』に出会えていなかったらnano.RIPEというバンドはとっくになくなっていたかもしれない、と、当時を振り返るたびに思います。

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テレビアニメの放送から今年で10年。少しも色褪せることなくあたしの中に生き続ける『花咲くいろは』は、この先もたくさんの人を救ってゆくのだろうと思います。
物語の聖地でもある湯涌温泉で毎年行われている「ぼんぼり祭り」は残念ながら今年も開催中止となってしまいましたが、また湯涌の空の下で『花咲くいろは』楽曲を歌う日を今から楽しみにしています。
きみコ

(C)ハイウェイスター
3月12日生まれ、千葉県出身。
ロックバンド nano.RIPEのVo.とGt.として
アニメ「花咲くいろは」「のんのんびより 」「食戟のソーマ」など数々の作品の主題歌やキャラクターイメージソングなどを手掛ける。
Twitter:@nanoripekimiko
instagram:@nano.ripe
バンドHP:http://nanoripe.com/