てけてけ、メリーさん、しょうけら…『地獄先生ぬ~べ~』一番のトラウマ回といえば?

■オカルトを題材とした漫画『地獄先生ぬ~べ~』のトラウマ回といえば?

1990年代に週刊少年ジャンプで掲載されていた『地獄先生ぬ~べ~』は、オカルトとコメディ要素が融合した人気漫画。同作は鬼の手を持つ「ぬ~べ~」と、ぬ~べ~の勤める小学校の生徒たちが、さまざまな妖怪や幽霊に立ち向かっていく物語です。

「東映アニメーション」公式サイトより

漫画の内容を際立たせるような独特な絵のタッチとグロテスクな表現は、視聴者にトラウマを与えました。とくに読者を震え上がらせた”トラウマ回”とは、一体どのエピソードなのでしょうか。

下半身を探す念縛霊「てけてけ」

「てけてけ」は列車事故に巻き込まれ、身体が真っ二つになって亡くなった女子中学生の霊です。踏切の「カンカンカン」という音とともに姿を現し、亡くなった後も自分の下半身を探し続けているというてけてけ。てけてけの話を聞いたら、3日以内にその人の前に現れるという噂が広まりました。

噂はぬーべーの勤める童守小学校の生徒たちの間でも広まり、登場人物の中でも特に怖がりである「まこと」の耳に入ります。てけてけの話が頭から離れずに過ごしていると、ついにまことの前にてけてけが姿を現します。

実はぬ~べ~に登場するてけてけは悪い霊ではなくただ成仏できずにいる霊だったのですが、てけてけの噂が広がり続けることで彼女は念縛霊として縛られ続けていました。人間の噂が彼女を苦しめていたのです。そんな話を聞いたまことがてけてけのことを怖がるのをやめると、てけてけはまことの前から姿を消します。

その後、不良が懲りずにてけてけの噂を利用してお金を儲けようとします。てけてけが不良の前に現れこのエピソードは終わりを迎えるのですが、てけてけが不良の足を引きちぎり去っていく姿はトラウマものです。

手足をもぎ取る「メリーさん」

都市伝説でお馴染みのメリーさん。ぬ~べ~オリジナルの設定で展開していくエピソード「メリーさん」の回は、ぬ~べ~屈指のトラウマ回とも言われています。

ぬ~べ~のメリーさんは、手足のない恐ろしい人形を押し付け人形の手足を探させます。この人形の手足を見つけなければ自分の手足をもぎとられてしまうことに。さらにメリーさんの回は“怖さ”だけではありません。生前、メリーさんは霊能力を持っていたことが原因でいじめられていました。

ある日、メリーさんの大切にしていた人形がばらばらにされ学校内に隠されてしまい、悲しんだメリーさんは自殺してしまいます。そのため、今でも学校に現れ、子どもたちに人形の手足を探してほしいと頼みにくるのです。

メリーさんの不遇な境遇も描かれており、トラウマレベルの恐怖と悲しみを感じるエピソードでした。

不気味に踊る黒い影「しょうけら」

「しょうけら」は天窓から人々を覗き、その家の者を祟るという疫病神として知られています。天窓のある家が少ないぬ~べ~の世界では、しょうけらは祟る家の屋根の上で踊っている疫病神という設定です。

アニメでは黒い影が不気味に踊り、にやっと笑って姿を消す様子はより恐ろしく見えます。しょうけらの回を観たら、日常的に見る屋根の上に黒い化け物がいると想像するだけで怖さを感じてしまうでしょう。

「一時期屋根を観られなくなった」「夕方帰宅するときは、毎回恐る恐る屋根の上を確認した」など、ネット上では、しょうけらの回をトラウマ回とする人が多く見受けられました。

コメディを交えながら、淡々と恐ろしいエピソードが展開されるのも『地獄先生ぬ~べ~』の特徴です。子どもから大人までトラウマになるようなエピソードが多いので、読むときは覚悟してから読み進めてくださいね。

(文=ザ・山下グレート)