『忍者ハットリくん』がなぜかインドで大人気!?

■日本のアニメがインドから逆輸入!?

伊賀の忍者「ハットリくん」がインドの子供の心を掴んで離さない

日本のアニメやマンガは海外でも大人気だが、中でも「ドラえもん」「パーマン」などで知られる藤子アニメはインドでの人気が高いよう。特に「忍者ハットリくん」は子供たちの心を掴み大ヒット。現地のキッズチャンネルでアニメ視聴率1位を獲得するなど、国民的な人気作品となっている。

インド逆輸入版「NINJA ハットリくん リターンズ」公式サイトより

1980年代、藤子不二雄A原作のアニメ「忍者ハットリくん」が日本で放送。伊賀の忍者ハットリくんが修行のためにやってきた東京で、友達となったケンイチらと巻き起こす騒動や日常を描くギャグマンガだ。長年愛される、藤子アニメの代表作の1つである。

日本での放送から25年。なぜかインドでの大フィーバーを受け、2012年に「忍者ハットリくん」のインド版が日本とインドの共同制作で復活した。その後、「NINJA ハットリくん リターンズ」として日本でも放送を開始。DVD化もされ、日本のアニメがまさかの逆輸入される形となった。

日本のアニメとインドの世相

元々インドでも日本のアニメやマンガは大人気。「忍者ハットリくん」が特別人気となった経緯の1つとして、昭和40~50年代を感じさせる物語の雰囲気が今のインドの世相に近いからという理由を指摘しているメディアもある。伊賀の里で経験を積んだハットリくんがひょんなことから東京に住む三葉家の居候になることで物語が始まるのだが、そこで描かれる世界観がインドの子供たちにはしっくりきたよう。

続編となった「NINJA ハットリくん リターンズ」は、当時制作された日本のアニメにはないゲームやインターネットなどの現代風の設定も盛り込まれている。「忍者ハットリくん」は時代も国も超えて大人気なのだ。

インド版「ハットリくん」とは一体…

インド版では、インドで大人気のスポーツ・クリケットをハットリくんが現地の少年から教わる話など、インドならではの物語も満載。今まで日本の「忍者ハットリくん」を観てきた人たちも、新しい作品として再度楽しめるのではないだろうか。

ちなみに同じくインドで大人気の“スポ根”アニメ「巨人の星」も、インド版でリメイクされている。こちらは大胆にストーリーのテーマが日本でなじみのある野球ではなくクリケット版として、インドオリジナルの物語が放送されているよう。日本のアニメやマンガがその国にあった形に色を変え、様々な地域で愛されている。

山を飛び谷を越えてきたハットリくんが、ついに国境をも飛び越えて異国の子供たちを夢中にさせている。

(文=ザ・山下グレート)