移動しながら声を収録!? 声優のお仕事の意外な裏側を大公開

第3回「収録現場ってどんな感じ?」

皆さん、こんにちは!
声優の明日葉よもぎです!
皆さんは、スタジオでの収録をご覧になったことがありますか?

テレビやインターネット等で、アニメやナレーション収録の様子をご覧になる機会はあるかと思いますが、ゲームや音声作品の収録現場はいかがでしょうか?

今回は、最近私が経験した『ゲーム』と『音声作品』の収録についてお話します! 特にこの2つでは使用するマイクの種類に違いがあるので、そこを紹介します。

■ゲーム収録とは?
私が経験したことのあるゲームはPCゲームとスマホアプリです。それぞれ収録のボリュームに違いはありますが、どちらも1人でマイク前に座り、順番に台詞を録っていきます。

初めに数ワード読み、キャラクターの声質や喋り方、お芝居等に問題が無いかテストをします。(その間にエンジニアさんが音量調整等もしてくださいます)

何かあればキャラクターを調整し、問題無ければそのまま本番に入ります。他のキャラクターの台詞が間に入った掛け合い台詞になっている場合は、飛び飛びの台詞を読むことにもなりますが、相手がどんな喋り方をして、どんな態度なのか等を想像しながら自分の台詞だけを収録していきます。

複数のキャラクターが同時に同じ台詞を喋るシーンでは、先に収録された方の音声を聴きながらタイミングを併せます。収録で使うマイクはモノラルマイクの為、音の入り方はそこまで気にせず、お芝居だけに集中することが出来るのが特徴です。

■音声作品の収録とは?
初めにキャラクターの確認や、掛け合いに関してはゲーム収録と同様ですが、音声作品の特徴として、バイノーラルマイク(耳型や人間の頭を模したダミーヘッドの中にマイクが埋め込まれており、実際に耳で聴いている状態を再現しようとしたもの)を使用することが多く、その場合はモノラルマイクでの収録方法とは違います。

バイノーラルマイクを正面から見たところ (C)明日葉よもぎ

※自身で所持しているバイノーラルマイクなので、スタジオで使われているものとは少し違います。

バイノーラルマイクの耳アップ
(C)明日葉よもぎ

マイクの周りをくるくる回りながら収録するので基本的には立ちっぱなしで、台本に書かれた位置や距離の指定を気にしながらお芝居にも集中しなければならない為、モノラルマイク収録のときより意識することが多いです。

バイノーラル位置図形
(C)明日葉よもぎ

上図は自分で描いたものですが、こんな感じの図形がスタジオの壁に貼ってあったり、床に直接目印が書かれているスタジオもあります。

①が正面、③が左耳、⑦が右耳、⑤が後ろで、実際にそこに話相手が立っていると想定してマイクに向かってお芝居をします。

台本には台詞の前や上に位置指定が書かれており、この台詞の時には何番で喋る、とわかるものになっています。中には番号ではなく右左前後で指定されている台本もありますが… それはまたの機会にお話します!

例えば、「⑨→①」と指定があれば、遠くで話かけられ、次の台詞では近づき目の前でお話するという感じですね。

台詞毎に位置が違う場合は言い終わった後に移動して次の台詞を喋り始めれば良いのですが、「⑦→③移動しながら」という指定があった場合は、1つの台詞の中で移動しなくてはならない為、足音やヘッドフォンのコードが揺れる音、衣擦れ音等、ノイズが入らないように気をつけながら喋ります。

「移動しながら」という指定が沢山入っている台本はその分神経を使うのでなかなか大変ですが、喋りながらあっちこっちにキャラクターが移動している様子は聴いていてとても楽しいと思います。

音声作品はメインキャラクターが1人しかいないことも多く、ずっと自分と主人公(ユーザーさん)との会話です。台本上に主人公の台詞があることは珍しいので、何と言われたのか、どんな会話をしているのかは、想像しながらお芝居をしていきます。

長い収録だと5~6時間、勿論間に休憩は挟みますが、収録中はずっと立ちっぱなしになるので、体力作りも大切だなと常々感じております。

以上がゲームと音声作品、それぞれの収録での様子です。

どちらも最初にキャラ併せがありますが、台本や設定から読み取り作っていったキャラクターが問題無く、収録がスムーズに進んでいくととても嬉しくて、心の中で大きなガッツポーズをします!

故に本番を迎える前の台本チェックも本当に大事な作業なのですが… こちらについてもまた改めてお話したいと思います!

いかがでしたか?

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、全く馴染みが無いという方ですと、初めて知るお話もあったのではないでしょうか? 少しでも「へぇ~!」と思って頂けていたら嬉しいです!

お話した環境が全てではないので、他にも違った収録方法もあるかもしれません。あくまで、私が経験してきた収録現場でのお話でした。

今回は「ASMR料理」はお休みしましたが、こういったお話も楽しんで頂けましたか?

最後までお読みくださりありがとうございました!
次回は動画と共にお届けしたいと思っております。
それではまたお会いしましょう!
明日葉よもぎでした~!!

 

明日葉よもぎ

(C)明日葉よもぎ

11月20日東京生まれ。さそり座のB型。
ゲーム「アッシュアームズ」「アズールレーン」などに出演中。
世界初のマスコットVtuber「よもちだいふく」声の人としても活動中。
歌ったり動画を作ったり津軽弁を喋ったり、もちもちしたりする人。

Twitter:@ashitaba_yomogi
HP:https://yomogiashitaba.wixsite.com/mysite
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCgzzlWAK-7NLWRWlTaOxWvA?view_as=subscriber
よもちだいふく:https://www.youtube.com/channel/UCu2b-b0Qn94JdfoAsMTpq1A
ニコ生:https://com.nicovideo.jp/community/co3791888
(「よもぎ通信」毎週土曜24時~生放送!)

コメント一覧

8
  • 最近増えてきたASMR系の音声作品がこのように作られているとは非常に興味深く感じました。
    テレビとかで見ている収録とは違いがあるのですね。
    立ち続けて移動に気を使い収録する。その最中は演技を続ける。普段聞いているものが大変な収録の中で作られている作品だと改めて感じました

  • アクアアイランド

    今回もコラム楽しく拝見いたしました!
    普段何気なく聞いている音声作品の裏側で、まさかこんなに細かい指示があったとは知らなかったです。
    座って目の前のマイクに左右分けて話すと思ってましたが、かなり体力勝負なんですね!
    とてもためになりました✨
    次回のコラムも楽しみにしております!

    • コラムの更新お疲れ様です。なかなかモノラル、バイノーラル、収録の環境について詳しく聞くこともないので貴重なお話ありがとうございました。バイノーラルはセリフ以外に立ち位置やノイズ等色々気を付けることがあって大変だなぁと声優さんには改めて頭の下がりました。

  • 阿良耶 宗

    PCゲームの収録は聞いたことがあったのですが
    バイノーラルマイクでの収録は、より大変そうだなと思いました
    立ち位置を考えてお芝居!
    イメージ的には舞台を連想します
    非常に精神集中がいる現場ですね
    お芝居をしながら、空間の把握
    やはり、プロの方は凄いです

  • 天使三代目

    一番興味深かったのは、収録前に数ワードセリフを言ってみて芝居・キャラクターを調整するという部分でした。
    言われてみればそういう作業もあるだろうと頭ではわかるのですが、現場を知らない身としてはそういう作業に思いもよらず、また一つ声優さんのお仕事の現場を知ることができて嬉しいです。

  • 緑茶らて

    よもちさんといえば様々なジャンルの作品で活躍されてるだけに、それぞれでの収録方法の違いについてのお話はすごく興味深く面白かったです!
    声優さんの収録といえば、ゲーム収録のような感じをイメージするのですが、音声作品の収録は演技だけではなく移動や立ち位置を意識したりと本当に大変そう…!
    こうした努力や技術からたくさんの癒しやわくわくを頂いてるのだなと感謝でいっぱいですね!

  • ごましょう

    バイノーラルマイクでの収録は立ち位置や動きも結構細かく指示があるものなんですね。また実際に音声を録るときは立ちっぱなしなのは初耳でした〜

    こうしたお話ってあまり聞く機会ってないのでこれからも裏話をしてくださると嬉しいです!

  • バイノーラル収録は立ち回りありの役者のようですね。
    しかしノイズが入らないよう動かなければならないのが大変そうで、バイノーラル作品全体への考えが改まりました。
    機材の形状変化による影響も面白いですね。
    次回も楽しみにお待ちしてます。

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