終末のワルキューレ 47話 ネタバレ「至る道」史上最強の思春期? 人間だった頃の釈迦が運命に抗い『悟り』に至る!?

■与えられた幸福と運命

釈迦の感情に呼応する神器

2021年5月25日に発売された『月刊コミックゼノン』7月号の『終末のワルキューレ』第47話「至る道」では、釈迦にとって人も神も関係なく“大嫌い”なものが判明する。

アニメ『終末のワルキューレ』公式サイトより

零福の天災級の攻撃を真正面から受け止めた、釈迦の神器・六道棍(りくどうこん)の楯。ブリュンヒルデによると、この神器は六道それぞれの観音様の力が宿っており、その形態は釈迦の“感情”に呼応するため自身で武器が選べないというのだ。「熱すぎんだろ? お前の思春期…」。攻撃を押し返された零福は、潰せないならと今度は斧爻を巨大な針の束にしたが、釈迦の六道棍も変化しカウンター攻撃を与えた。

武器が変化と釈迦の感情を不思議に思うゲルだが、ブリュンヒルデは「あのお方っぽいですね」と笑う。そして、なにものにも縛られず生きたいように生きる釈迦こそ「史上最強の思春期」と語るのだ。

幸福は… 裡にある

人間であった頃の釈迦はシャカ族の王子として生まれ、最高の身分、最高の食事、最高の教育と、全てが“最高”のものを持っていた。また、誕生した際も「いずれ世界の王となろう」と神々に約束された最高の未来を持つ“運命”だったのだ。

天から与えられた運命を受け入れていた釈迦だったが、遠い親戚で兄のように慕っていたジャータカ王の死に直面し“悟り”に至る。生前、ジャータカ王が語った「私の人生はいったい誰のものだったんだろうね?」「すべて与えられた幸福だ」の言葉。釈迦はそれらを思い出し、他者の祈りも神の祝福もいらない、「幸福は… 裡(ここ)にある」と断言する。

その後、身分や妻子を捨てて出家した釈迦は、苦行で倒れる者に乳粥を与えるのも「俺はコイツに食わせてえ」、神々への生贄にされそうな少女を助ける際にも「ならば神と闘るだけだ」、と“なにものかが決めた運命”に抗うため戦ってきたのである。

裡にある幸福を否定しようとするものたち、そして運命を押し付けようとするものたちが「大嫌い」な釈迦。それだけの理由で神と戦う事実に驚愕するゲルだったが、ブリュンヒルデは「いまが思春期最高潮です!!」と釈迦を語るのだった。

ネット上では「いまだかつてこんなカッコイイ思春期があったか?」「思春期vs最強の思春期って情緒不安定な対戦だな」と思春期対決に驚く声や、「なるほど、幸福は与えられるんじゃなく自分の中から生まれるのか」など“悟り”へのコメントが寄せられている。

人間に幸福を与えようとして憎むようになった零福、決められた運命に抗うため戦う釈迦。相反する2人の戦いを次号も見守りたい!

(文=マルデガワ咲)