『テニスの王子様』に出てくる“天衣無縫の極み”って何?
■テニプリ史上最強の必殺技“天衣無縫の極み”
限界を超えた先にある“開かずの扉”とは
1999年から2008年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載され、シリーズ累計6000万部以上を超えた大人気学園テニス漫画『テニスの王子様』。「テニプリ」の愛称で多くのファンから愛されている名作ですが、常人はまず真似できないであろう数多の奇抜すぎる“トンデモ技”を生み出した一風変わったスポコン漫画としても有名です。
その中でも史上最強と呼ばれる“天衣無縫の極み”という技をご存知でしょうか?

『ジャンプSQ.』公式サイトより
自分の限界を超えたときにだけ辿り着ける“無我の境地”の奥にある3つの扉の一つ。扉は“百錬自得の極み”、“才気煥発の極み”、そして開かずの扉と呼ばれる“天衣無縫の極み”があります。乾の解釈によると、無我の強力なパワーを体の各所に必要に応じて移動させ力を増幅させた“百錬自得の極み”の進化系だとか。
初めてこの技を発揮した南次郎によれば、“天衣無縫の極み”というものは存在せず、テニスを始めたばかりの“テニスが楽しくてしょうがない”時期は誰もが天衣無縫であると語っています。
リョーマが“天衣無縫の極み”に辿り着いたのは対幸村戦!
テニプリ史上最も謎が多いとされている“天衣無縫の極み”。主人公・越前リョーマが初めてこの技を使用したのは全国大会決勝戦の対幸村との試合でした。
すでに無我の境地を発動できていましたが幸村は技の本質が見えるため、リョーマは繰り出す技を全て見破られてしまいます。さらに無我の境地で打ち出す技は通常の技よりも体力の消費が激しく、試合が進むにつれて次第に追いつめられていくリョーマ。しかし純粋にテニスを楽しむ気持ち、子供の頃に無邪気に楽しんでいた頃を思い出し、“天衣無縫の極み”を覚醒します。
幸村のテニスに対する気持ちと対局の状態であるリョーマはその後多くのシンプルな技で追い上げていき、幸村を負かして全国優勝を果たしました。
父・南次郎とリョーマ以外で“天衣無縫の極み”を使えるのは?
初代“天衣無縫の極み”の扉を開いたのはリョーマの父親である越前南次郎。詳細が不明のまま伝説的な強さを残し謎に包まれた扉でしたが、次にその扉を開いたのは息子であるリョーマでした。
その後『新テニスの王子様』では、“百錬自得の極み”を中学1年の頃には会得していた手塚国光、大阪の四天宝寺中学テニス部所属でテニス愛に溢れる遠山金太郎、金太郎との戦いで発動した鬼十次郎の3人が“天衣無縫の極み”を発動しました。
奇抜な“トンデモ技”を続々と生み出し、テニス漫画というよりバトル漫画と揶揄される本作ですが、最強の状態である“天衣無縫の極み”の発動スイッチがテニスを楽しむ気持ちというところにテニス漫画の熱さと愛を感じられますね。
(文=ザ・山下グレート)