「故郷は地球」がウルトラマン屈指の神回なのは怪獣・ジャミラが元人間だったから!?
■ウルトラ怪獣に関わる悲しすぎる神回!「故郷は地球」とは?
怪獣の正体は“元人間”
円谷プロダクション制作の「ウルトラマン」の中でも、ファンに人気が高い第23話の「故郷は地球」。第1話や最終回が人気の高いアニメは多いが、それらを差し置いて「故郷は地球」が神回と呼ばれるのはなぜなのだろうか。

「ULTRAMAN ARCHIVES」公式サイトより
「故郷は地球」は国際平和会議に参加予定の各国の代表者が乗った飛行機や船ばかりを狙った、謎の爆破が頻発するところから始まる。科学特捜隊はこの問題を解決するべく、パリ本部のアラン隊員と一緒に捜査に乗り出した。そして、飛行機や船を破壊をしていたのは「見えない円盤」であることがわかる。科学特捜隊はイデ隊員が開発したスペクトルα線、β線、γ線でこれを破壊。見えない円盤の中から出てきた怪獣を見て、アラン隊員はその正体を確信する。
この怪獣はかつて有人衛星に乗っていた宇宙飛行士のジャミラ。つまり元人間だ。怪獣の正体に心当たりがあったため、アラン隊員はパリ本部から派遣されたのだった。宇宙開発が盛んだった時代、ジャミラの乗った有人衛星は遭難して惑星に不時着してしまい、その失敗を隠すために祖国はジャミラを見捨ててしまう。過酷な宇宙環境に耐えるうちに怪獣になったジャミラ。その恨みを晴らすために、ジャミラは各国の代表者が集まる国際平和会議を狙ったのだった。
怪獣・ジャミラの悲しい最期
祖国に見捨てられて怪獣になってしまったという悲しい過去を持つ怪獣・ジャミラ。しかし、それが地球に住む罪のない人を攻撃してもいい理由になるはずもなく、抹殺対象とされる。国際平和会議の会場に向けて周りを焼き尽くしながら進むジャミラに、ウルトラマンが立ち向かう。水に弱いジャミラにウルトラ水流で攻撃するウルトラマン。苦しそうに泥にまみれながら叫ぶジャミラは、恨みを晴らすかのように最期まで国旗を踏みつける。そして、やがて力つきてしまった…。
人間だった怪獣・ジャミラがウルトラマンに攻撃され、最期には断末魔を上げながら死んでいく姿は、ファンからも「かわいそうで泣いてしまった」「考えさせられる内容」という声も。ジャミラの境遇に同情していたイデ隊員の「犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど」という最後のセリフも、「人間味がある」「名言だ」とファンを魅了した。
存在を隠された怪獣・ジャミラ
ウルトラマンシリーズの記念すべき40年周年作品「ウルトラマンメビウス」。こちらの作品には過去のシリーズのウルトラマンや怪獣、名ゼリフなどもたびたび登場するため、ファンからの人気も高い。作中では今までに出現した怪獣の情報が登録されているアーカイブドキュメントが存在し、怪獣が現れたときには参考資料として使われている。もちろん過去に戦ったジャミラの情報も登録されているはず。しかし、ジャミラの情報は大幅に削除されほとんど載っていなかった。
そんな隠された存在の怪獣・ジャミラだが、円谷プロダクション公認の「ウルトラ怪獣擬人化計画」で、擬人化され美少女キャラクターに変身している。かわいいジャミラに会いたい人はチェックしよう。
「故郷は地球」で絶命し、存在を隠されてしまった怪獣・ジャミラだが、その後も違う形で生き続けている。他のウルトラマンシリーズもチェックすれば、ジャミラの魅力がもっと伝わるかもしれない。
(文=ザ・山下グレート)