原作台本はほぼ暗記! 気鋭の美人漫画家が“原作アリ漫画”の描き方を解説

【さおとめかく語りき】第3回~原作がある漫画の描き方~

こんにちは! さおとめあげはです。
長らく間が空いてしまいましたが元気です。

以前にどこまで書いたか少し忘れてしまったのですが
原作付きの漫画の私なりの描き方ということで引き続きコラムを書かせていただきます。

(C)さおとめあげは

まず、これは他の作家さんに言うと怒られてしまうかもしれませんが…
私は頂いた原作台本を何回か読み込んで、
大まかな流れや頭に残った台詞をノートに軽く書き出して以降は完成まで殆ど台本を見ていません。
※勿論、合ってるのか不安な時に確認はします。

ほぼ暗記してネーム(絵コンテ)に起こしています。
役者さんが台本を暗記するのに近いかもしれません。

文章をイチから全部描くというよりも
頭でその物語の映像を想像して浮かんだイメージを漫画にしたいタイプです。
ですので、連続したシーンとして想像しづらければエピソードをカットしたり展開の時系列を入れ替えたりすることも多々あります。

あと、頂いた原作通りのセリフはほぼ使っていなくて
漫画の流れ=キャラクターの心情の変化によって変えますし、物語自体もママではなく、出来上がっているエピソードシーケンスの流れが変わらない程度に変化させています。

よく漫画と小説の両方を読まれる方だと分かると思うのですが、文字を読む時間当たりの物語の進行スピードが漫画と文章だと違っていて、両方に調度いいテンポがあるのではないか…と、
セリフの量とかも一つですが一か所での滞在時間といいますか… そこは私もまだまだ勉強中で、とても気にしています。

あとは、自分なりの善悪やスタンスを曲げられない部分は変更させて頂いたり。

どんな善人であれ、ヒーローであれ、人を傷付けることをしたら因果応報に報いを受けるのがカタルシスの一つではなかろうかという。
これ以上言うと現在制作している作品に関わるので書けないのですが…

そんなふうに作品を描いています。

(C)さおとめあげは

また、原作付き漫画と言っても

①原作文章台本
②原作文章小説
③原案のみ
④原作者による絵コンテネームあり

と色々ありまして
④は海外のアメコミ(※1)に近く、短期間で高クオリティの原稿を上げられると思います。
ただ「ここをこうしたらもっと面白いかも」とか
自分(漫画家)の意思を作品に盛り込むのが難しいので、
私個人的に仕事をしていて楽しいのはある程度に自由度がある原作です。
(※1:アメコミはストーリー・下絵・インカー・着色等作業が分かれていることが多い)

(C)さおとめあげは

これ、読者さんが読んでたのしいのだろうか?
小難しい校長先生みたいな文章になってはいないだろうか?
と思う内容の事を書いてしまったかもです。
ので
次回、何か聞きたいことやリクエストがありましたら
私のTwitterへのDMやこの記事のコメントに書き込んで頂けましたら嬉しいです。

(お仕事のご相談はTwitter記載のメールアドレスへお願いいたします)

ではでは、また次回記事にて!

さおとめあげは

(C)さおとめあげは

繊細な人間描写とハデなアクションで人気を博す、気鋭のマンガ家。
切れ味のある画面作りと、人間ドラマに定評がある。
現在の連載作品は『人間牧場』(竹書房/コミックガンマぷらす/https://gammaplus.takeshobo.co.jp/manga/human_ranch/
おもな代表作は『ニンジャスレイヤー -グラマラスキラーズ』(KADOKAWA)『重神機パンドーラ0』(講談社)など。
東京コミコン(TOKYO Comic Con)アーティストアレイ等に出展するなど、ファンとの交流や海外への発信にも力を入れている。

各種音楽・ヴィジュアル系・海外ドラマ・ゲームが好き。
Twitter:@agehasss

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