ボカロPはコロナ禍でどう変わった? オワタPが明かす生存戦略
第2回「ぶっちゃけ、コロナ禍でボカロPはどうなった?」
「はい、みなさまどうもこんにちは。オワタPこと”ガルナ”です」
今回で二回目の寄稿となる。無事にこうしてみんながこの文章を読めているということは、どうやら一話打ち切りという事態にはならなかったらしい。安堵した。
情報によると、記事を公開してから翌日にかけて『日刊ビビビ』のアクセスランキング第1位になっていた時間帯があったらしい。たくさんの方に読んでもらえて、とても嬉しい。ありがとう。
さて、前回の記事の最後で触れた通り、現在日本国内は新型コロナウイルス感染症の話題で連日賑わっている。残念ながらこの記事を書いている時点で、私が住んでいる首都圏の緊急事態宣言の延長が決定し、この記事が公開される時点でも、まだ自粛生活は余儀なくされている。
私は趣味で音楽をやっている。本業は普通の社会人だ。コロナ禍でもテレワークなどができない現業部門の人間で、どちらかといえば、コロナ禍で発生するイレギュラーに対して色々と検討する立場の人間だ。本業ではイレギュラー対応をしているが、じゃあ副業ではどうなのか。なにか環境は変わったのか。今回の記事では、そこに触れてみようと思う。
ボカロPとコロナ禍
まず、即売会が消えた。緊急事態宣言中はイベントが軒並み中止となり、2020年はコミックマーケットも中止となった。コミケ以外のイベントも規模を縮小したり、中止になったりと、リアルの世界での交流はほぼなくなった。当然、イベントがなくなったのだから、即売会での売り上げはゼロだ。
リアルのイベントはなくなったが、ネット活動は勢いを増した。私の場合は、YouTubeチャンネルの再生数などが突然伸び始めた。新作を発表したり、あるいは夜にゲーム実況を生配信したりすると、同じく自粛生活で外に出られない方々の目に留まり、たくさん見てもらえるようになった。統計によると、2020年は合計で950万回、私の動画が再生されたらしい。チャンネル登録者数もたくさん増えた。
YouTubeチャンネル「がるなん.com」
もともとニコニコ動画だけで活動していた私だが、無断転載が蔓延る無法地帯だったYouTubeという環境において、コツコツと本人によるオフィシャル動画を公開し続けた甲斐もあって、今ではあらかた違法動画の再生回数を抑えている。これも、やはり巣ごもり需要の一つと言っても過言ではないだろう。
現在も、私を含め多くの活動者が他の人とのコラボで『Among Us』を遊んだり、対戦ゲームで盛り上がったり、ネット上での交流が盛んになってきている。私の周りでは連日夜は色々な配信で大盛り上がりだ。それだけ需要があるのだから、視聴者側も供給がたくさんあって嬉しいと思うし、我々もコメントなどで反応がもらえて嬉しいし、まさしくWin-Winの関係だといえる。悪いことばかりではない。
たとえワクチン接種が進んだとしても、元の生活に戻ることはないだろう。テレワークは続くし、キャッシュレス文化も進むし、時代に順応できる活動者はしぶとく生き残る。今はとにかく、未来に向けての投資の時期。私も音楽家として活動しながら、面白そうなことを見つけて、積極的に飛び込んでいこうと思う。
さて、ここからは恒例の宣伝タイムだ。今回は露骨にYouTubeチャンネルの話をしたが、直近のボーカロイド楽曲では思い切りそのYouTube配信者をテーマにしたネタ曲を公開したので、興味がある方はぜひ聞いてほしい。そして、ぜひともチャンネル登録をお願いします。
私はみんなに楽しい楽曲を提供する。みんなが再生することで、私にもお金が入る。そういう単純な仕組みなので、みんなは積極的に応援したい人の動画を再生したり、ツイッターでリツイートをしたり、気軽に応援して欲しい。
私はコロナ禍でもなんとか頑張っているが、他のクリエイターはきっと苦しんでいる人も多いだろう。このご時世だからこそ、お互いに支え合う意識を持って、などという御託は聞き飽きたと思うので、好き勝手楽しむ代わりに、もう一歩踏み込んで、今風に言えば「バズらせて」欲しいと思う。
今回はここまで。次回はなにを書こうか。
そうだな、この記事にたとえばみんなが練習でコメントを書き込んで、かつみんながこの記事を拡散してくれたのなら、さらに踏み込んだ話でも、してみようか。ネット記事を盛り上げるかどうかのきっかけは、みんなが握っている。そう、確信して。
ガルナ(オワタP)

(C)ガルナ(オワタP)
1987年12月31日生まれ。東京都出身。山羊座のB型。
代表楽曲「トルコ行進曲 – オワタ\(^o^)/」「パラジクロロベンゼン」「リンちゃんなう!」など
Website:https://garunan.com
Twitter:@tomatowt