名作か? 迷作か? 落語家的目線で考察する「エヴァンゲリオン」の魅力

【落語家・春風亭吉好のヲタク噺】第1回~「エヴァンゲリオン」の魅力を落語家目線で考察~

ヲタク落語家の春風亭吉好でございます。

(C)春風亭吉好

これからこちらでヲタク関連のコラムを書かせていただきます。
僕は本職の落語家であるとともにアニメやゲーム好きなヲタクでして、そんなヲタク要素と落語を掛け合わせたヲタク落語なんてものをやらせていただいています。


この様な感じで落語にヲタク要素を混ぜ込んでいます。

こちらのコラムではアニメやゲームに関する感想、考察に落語家視点も織り交ぜてお話できたらと思っています。

今回のテーマは「エヴァンゲリオン」です。
新劇場版の完結編「シン・エヴァンゲリオン」の公開日が待ち遠しいですね。
一つのアニメ作品でここまで長い間トップクラスの人気を維持している作品は他にないのではないでしょうか。
何故エヴァンゲリオンが26年もの間その人気を維持しているのか?
話が面白い・キャラが魅力的など数多くありますが、一つとして「未だキチンと完結していない。オチがないから」ではないかと。

どの様な作品も何かしらのオチがありそこで完結をします。
例えば初代機動戦士ガンダムのオチはアムロが「まだ僕には帰れる所があるんだ。こんなにうれしい事はない」とホワイトベースクルーの所へ帰還するところ。
あしたのジョーなら「燃えたよ… 燃え尽きた… 真っ白にな……」とまさしく真っ白に燃え尽きるジョーのカット。
という様にラスト“オチ”が美しければ美しいほど作品として昇華され、人気や評価が語り継がれます。
落語にも必ずオチというものがあります。落語のオチはサゲと言います。

落語のサゲに関しての解説はこちら

説明し、情景を作り落語に引き込み、伏線(落語でいうと仕込み)を張りギャグを畳み掛けて盛り上げて最後にサゲでストンと落とす。
その落とし方が綺麗なほど聞いていて気持ち良いし、いい落語になります。
逆にどんなに盛り上がってもオチが効かないと「うーん?」となってしまう事もしばしば。
エヴァンゲリオンにはこの明確なオチ=サゲが存在しません。
テレビ版ではこれから最終決戦か? というラスト2話でシンジの精神世界の話となり、あくまで心理的な決着のみで物語のサゲはありません。
「おめでとう! おめでとう!」がサゲと言われればそれまでですが、少なくともファンはそれを望んでいたわけではない。
今度こそサゲが見られるかと思った旧劇場版もやはり精神世界の話となり、物語としてのサゲはありません。
サゲを見る事によってファンは満足して気持ちを自分の中で完結し好きでありつつも次の作品に移れるのですが、エヴァンゲリオンはそのサゲがないためファンはそれを求めて今も追い続けるのです。
もちろん打ち切りだったり最終回が消化不良でサゲのない作品は数多くあります。
ただエヴァンゲリオンは「サゲに凄いことがありそう!」と含みを持たせるのが究極に上手いのです。

人類補完計画とは? 使徒とは?
数々の謎の提示の仕方、その裏に何かがありそうという思わせ方が凄く上手い。
だからそのサゲに期待をしてしまう。
なのにサゲが提示されないからファンはいつまでも追ってしまうのではないかと思っています。
今度こそは明確なサゲを見せてくれると信じています。
そのサゲ次第でエヴァンゲリオンの本当の評価がやっと決まるのでしょう。
アニメ史上に残る名作か? 迷作か?
エヴァンゲリオン千秋楽「シン・エヴァンゲリオン」に期待が高まりますね。

エヴァンゲリオンを全く知らない芸人にエヴァンゲリオンを教える動画はこちら


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春風亭吉好(しゅんぷうてい よしこう)

(C)春風亭吉好

1980年12月12日生まれ。千葉県出身。射手座のB型。
「特捜警察ジャンポリス 銀魂落語の回」(テレビ東京系)や「TOKYOディープ!」(NHKBS)などに出演。「ヲタク落語会もえよせ」メインパーソナリティ。
Twitter:@rakugodepon
YouTubeもえよせチャンネル:https://www.youtube.com/c/YouTube%E3%82%82%E3%81%88%E3%82%88%E3%81%9B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB/featured

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