アニメ『のんのんびより』OP主題歌のタイトルに秘められたコダワリ… 制作時の苦労をnano.RIPEきみコが明かす

nano.RIPEきみコが語るアニメ楽曲制作の裏側「第2回」

今回は、今月より放送スタートのテレビアニメ『のんのんびより のんすとっぷ』オープニング主題歌「つぎはぎもよう」の制作秘話に切り込んでいきます!

実は「のんのんびより」は、制作する段階で他の作品とは大きく異なる点がありました。
それは、『変わらないこと』がテーマであるということ。

いわゆる”日常系”というジャンルにカテゴライズされるこの作品。
日々のさりげない瞬間を切り取りながらゆっくりと進んでゆく物語で、
監督曰く「チャンネルを変えられてしまったら負けだけど、観ながら寝てしまったら勝ち」というくらい、観ている方の日常に溶け込む作品なのです。
それ故に、アニメの世界観も、使われる楽曲の世界観も、シリーズを通して共通していなければならない。
つまり、違う曲ではあるけれど、出来る限り聴き手におなじ印象を持ってもらう曲、でなくてはならないのです。

とはいえ、シリーズ4曲目。
曲を書くのは早い方だ、という自負のあるあたしも、さすがに今回は少し悩みました。
こうすると1曲目と似過ぎてしまう、かといってこのアプローチだと2曲目の延長でしかない、でも3曲目のあの雰囲気は少し残したいな…などなど。
そんなことをしばらく繰り返し、もういっそこれまでのイメージを壊してしまおう! なんて訳のわからない境地にも達しかけた頃、
なぜか弾けないピアノをポロポロと触っていたらサビのメロディがスルスルと出てきてくれたのです。
それをキッカケに正気を取り戻し、これまでの3曲すべての要素を少しずつ取り入れバランスを取ってみたら、新しくないのに新しい「つぎはぎもよう」が生まれた、というわけでした。

そこからの歌詞はとても早かったです。
元々、歌詞を書くのは”三度の飯よりも好き”なあたし。
大好き、かつ、深く知り尽くしている作品の歌詞に悩むことなどあるわけがない。
書き終わるのが寂しくてわざと最後の1行を残す、なんて贅沢な遊びをしつつ、楽しみながら書かせていただきました。
歌詞もまた、これまでの曲たちと繋がっている部分やキーワードをアチコチに散りばめたので、作品をご存知の方には是非そのあたりも楽しんでもらえたら嬉しいです。

(C)ハイウェイスター

そして、最後の最後につけたタイトル。
これに関しては他の作品以上に並々ならぬこだわりを持っています。

これまでの3作と共に並べてみると一目瞭然かと思いますが、
「なないろびより」「こだまことだま」「あおのらくがき」そして「つぎはぎもよう」
そう、 作品タイトル「のんのんびより」 とおなじく、楽曲もひらがな7文字のタイトルで統一されているのです。

どうして「つぎはぎもよう」なのか。
その理由は、通して聴いていただければわかるはず。

(C)ハイウェイスター

レコーディングはベースに須藤優さん、ドラムに石井悠也さんをお迎えして録音しました。
大好きなミュージシャンに演奏していただけるのは、楽曲にとっても本当に幸せなこと。

現在、リリースに先駆けて先行配信を行なっております。
隅々までこだわり抜いた1曲、是非フルコーラスでお楽しみくださいね。

さて、第一回、いかがでしたでしょうか。
こんな風に、それぞれの楽曲について少しずつ触れてゆきたいと思います。
あなたの好きなアニメの主題歌についても触れるかも?
楽曲提供についての話なんかも面白そうだな。

ぜひ、末長くお付き合いくださいね。

 

きみコ

(C)ハイウェイスター

3月12日生まれ、千葉県出身。
ロックバンド nano.RIPEのVo.とGt.として
アニメ「花咲くいろは」「のんのんびより 」「食戟のソーマ」など数々の作品の主題歌やキャラクターイメージソングなどを手掛ける。
Twitter:@nanoripekimiko
instagram:@nano.ripe
バンドHP:http://nanoripe.com/

 

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