オタク用語解説
オタクが使う意味深ワードを徹底解説! 日本のサブカルチャーを牽引するオタクだが、一般人には聞きなじみのない「オタク用語」が数多く存在する。果たしてあなたは、どのくらい「オタク用語」を知っているだろうか?
■【オタク】女オタの心を掴むシチュ「イケメン回転寿司」
よく女性向けアニメに対するオタクのコメントで見かける「イケメン回転寿司」というワード。言葉をそのまま受け取ると“イケメンがいる寿司屋”を想像してしまうが、どういった場面で用いられるのか見ていこう。
ネット上を調べたところ「イケメン回転寿司」とは、「キャラクターやキャストがくるくる回って代わる代わるパフォーマンスをするカメラワーク」を指すよう。女性向け作品だとよく見かける光景で、「神々の悪戯」のEDや「アイドリッシュセブン」のMVにも登場している。
また以前おこなわれた「アイドルマスター SideM」のライブ内でも、アイドルたちをぐるぐると回りながら映す演出が。その際に出演者である梅原裕一郎さん自ら、イケメン回転寿司が楽しかったと発言して話題に。発祥はミュージカル「テニスの王子様」のようだが、梅原さんから「イケメン回転寿司」を知った人も多いのかもしれない。
ちなみに女の子がぐるぐる回るバージョンの「美少女回転寿司」というワードも。かわいい回転寿司が見たいオタクは「ごちうさ」や「プリパラ」をチェックしよう。
オタク心をくすぐるパフォーマンスを次々と浴びせられる「イケメン回転寿司」。一度目にしたらキャラの虜になってしまいそうだ…。
■【オタク】SNSのプロフでよく見る「夢女子」ってどんな女性を指すの?
2次元好き女子たちのTwitterプロフィールを見ると、「腐女子」「NL厨」「声オタガチ勢」など様々なオタクがいるよう。その中でも時折目にするのが「夢女子」というワード。なんだか可愛らしい響きだが、一体どのようなオタク女子を指すのだろうか?
ネット上を検索したところ、「夢女子」とは「主に2次元の男性キャラに夢中になっている、もしくは2次元キャラ×自分の恋愛作品を楽しむ」人を指すそう。実際に夢女子のツイートを覗いてみたら、「推し君今日も顔が良すぎたー!! あぁ結婚したい…」「今日は○○君とお外デートです(推しぬいとの2ショット写真添付)」と愛に溢れる投稿が並んでいた。
また夢女子の中でも2つにわかれるらしく、自分自身を登場させずにオリジナルキャラクターを作って推しとの関わりを妄想するパターンもある。
ちなみにオリジナルキャラを作る場合は性別が男性になったり、モンスターなど人外設定で楽しむ人も。恋愛だけでなく、友人や敵など様々な形で推しと関われるのが夢の魅力なのかもしれない。
一見キュートな字面の「夢女子」。しかし、その妄想力はオタク界の中でトップを狙えそうだ…。
■【オタク】動画サイトなどで見かける「SAN値直葬」ってどういう意味?
イラストや動画投稿サイトのタグなどで見られる「SAN値直葬(さんちちょくそう)」というワード。「葬儀」の「葬」が使われているあたり、なんだか不穏さを感じる言葉だが果たしてどういう意味なのだろうか?
「Weblio辞書」内の「実用日本語表現辞典」によると、「SAN値直葬」とは「キャラクターなどが理解の範疇を超えた異形の姿をしており、見る者に極めて強い精神的打撃を与えるさまを意味するネットスラング」のこと。
そもそも「SAN値」は、オタク以外にも人気なテーブルトークRPG(TRPG)「クトゥルフの呼び声」において正気度を示す数値。ショックな場面や宇宙的恐怖に関する知識を知ってしまうと「SAN値」が減っていき、どんどん狂気に陥ってしまう。
つまり「SAN値直葬」のタグは、見た瞬間にSAN値が一瞬にしてゼロになるような恐ろしい作品につけられている。
ちなみに某有名イラスト投稿サイトで「SAN値直葬」を検索したところ、無数の触手が生えた生物などかなりインパクトのある作品が勢ぞろいしていた…。
一度見たら忘れられない「SAN値直葬」な作品たち。同ワードを検索するオタクは、しっかり心の準備をしてからエンターキーを押して欲しい。
■【オタク】推しのための「お布施」ってどういう意味?
オタクのSNSを見ていると「この前見たアニメの最終回最高だったから“お布施”した!」「“お布施”のために頑張って働かなきゃ…」など、「お布施」というワードがよく出てくる。本来「お布施」とは「仏僧に仏事を営んでもらったお礼として渡す金品」を指すが、オタク界隈ではどのような意味で使われているのだろうか?
ネットを調べてみると、オタクが言う「お布施」とは「推しのグッズやイベントなどに積極的にお金を使う」こと。好きな作品のCDやDVDを買うのはもちろん、アプリゲームだとゲーム内ガチャを回すのも「お布施」にあたる。
なぜお布施と呼ばれるようになったかと言うと、多くのオタクにとって好きな作品や推しは尊いモノだからだ。ファンにとって推しにお金を費やすことは、仏にお金を納めるのと同等の行為。仏僧にお礼の気持ちを示すのと同じように、自分の好きな作品を作ってくれたクリエイターや役者に感謝の気持ちを込めながら「お布施」をしているのである。
オタク以外の人も、日頃の感謝を乗せて「お布施」をしてみるといいかもしれない。
■【オタク】切なさ満点の「バウムクーヘンエンド」って何?
女子オタク間の会話でよく聞く「バウムクーヘンエンド」という言葉。「エンド」いうだけあって物語の結末を言っていそうだが、本来食品名である「バウムクーヘン」が何を指しているかは分からない人も多いはず。今回は「バウムクーヘンエンド」の由来を探っていこう。
ネット上を調べていくとオタクの言う「バウムクーヘンエンド」とは「恋仲になりそうな仲のいい二人が結ばれず、片方は別の相手と結ばれること」を意味するよう。そして「バウムクーヘン」は、結婚式の引き出物を表している。代表例として“結ばれなかった相手の結婚式に出席して引き出物のバウムクーヘンを1人で悲しく食べる”というシチュエーションが当てはまることから、「バウムクーヘン」が用いられるようになったそうだ。
なんとも悲しい結末なものの、「オタク的には切なすぎる後味が最高…」「相方は幸せの絶頂なのにもう片方は絶望の対比が堪らない」と「バウムクーヘンエンド」を好む人も多いよう。
切ない恋物語が見たくなったら、「バウムクーヘンエンド」の作品を探してみてはいかが?
■【オタク】ある意味凄い「ダメ絶対音感」ってどんな能力?
よくオタクの特技の1つとして挙げられる「ダメ絶対音感」というワード。本来「絶対音感」といえば「音の高さを他の音と比べずに判断する能力」を指すが、頭に「ダメ」がつくとどのような意味になるのだろうか?
ネット上を調べてみたところ、「ダメ絶対音感」とは「アニメや洋画の吹き替えを聞いて瞬時に声優を当てられるスキル」のこと。ただし声が特徴的な有名声優を当てられるだけだと、「ダメ絶対音感」持ちとは認められないようなので注意が必要だ。もし「ダメ絶対音感」があると名乗りたいならば、オタクとしてそれなりの経験を積む必要がありそう…。
ちなみに発祥は、『さよなら絶望先生』で有名な久米田康治の漫画『かってに改蔵』。今では「声優の声を判別できる」という意味で用いられる「ダメ絶対音感」だが、作中だと「TV番組で流れるBGMが何のアニメのサントラかわかる」「救急車のビミョーな音の違いで患者の深刻さがわかる」などの例も含まれていた。
探してみれば、オタクでなくても「ダメ絶対音感」は備わっているのかもしれない。
■【オタク】キャラの「闇堕ち」ってどんな状況を指すの?
「推しが“闇堕ち”した…」など、アニメや漫画の感想などで時折見かける「闇堕ち」という言葉。“闇”と言うからにはなんだかほの暗いイメージだが、一体どういう意味なのだろうか?
ネット上を検索したところ「闇堕ち」とは、「味方や善人がダークサイドに落ちること」を指すそう。例えば「DEATH NOTE」に出てくる夜神月は元々は正義感の強い青年。そんな彼が死神のノートを拾ったことをきっかけに自らの意思で犯罪者を裁いていく様は、正に闇堕ちと言える。
清い心のキャラが闇に染まってしまうのは一見辛いように思えるが、オタクの中には闇堕ちに萌えを見出す人もいるよう。SNSを覗くと「きれいな世界しか知らなかった子が人の闇を知って苦悩する姿は正直おいしい」「闇堕ちは悲しいけど衣装が黒ベースに変わったりするのはかっこよくて好き!」という意見も見られた。
ちなみに洗脳されたり無理やり悪の道に堕とされる場合は「悪堕ち」と呼ぶようなので、使う際には注意が必要だ。
ある意味キャラのギャップを楽しむことができる「闇堕ち」。推しの様々な顔が見たいオタクにとっては、最高のシチュエーションなのかもしれない…。
■【オタク】二次元キャラにも多い「中二病」ってどんな意味?
アニメや漫画を読んでいると、一度は「中二病」キャラに出会ったことがあるのではないだろうか? 「中二病でも恋がしたい!」の小鳥遊六花や「STEINS;GATE」の岡部倫太郎など、二次元キャラの設定として度々見かける「中二病」。果たして具体的にはどういった状態を指すのか、オタク用語の意味を調べていこう。
「Weblio 辞書」内にある「実用日本語表現辞典」の解説によると、「中二病」とは「中学二年生くらいの若者が、自らを他人と差異化することで、自分のキャラ作りをすることを意味する表現」とされている。
ちなみに「中二病」の発生源は、伊集院光がやっていたラジオ番組の「かかったかな? と思ったら中二病」というコーナー。番組では中学2年生くらいの時期にありがちなことを募集し、大人ぶる若者たちのあるあるエピソードが話題を呼んだ。
最初は「若気の至り」的な意味の言葉だったが、ネット掲示板などで「中学時代に特殊な能力が備わっているという設定を演じていた」といった際にも「中二病(ネットスラングだと『厨二病』と表記されることも)」が使われるように。そこから「自身に超常的な能力が備わっていると妄想している人」、または「そういった能力を持っているキャラ」に対して「中二病」という言葉があてはめられるようになった。
自分の記憶を遡ってみると、三次元でも「中二病」を患っていた経験がでてくるかも…?
(文=ザ・山下グレート)