作品のクオリティは環境で決まる!? 声優クリエイターの“メインディレクター”奮闘記

【畠中愛のマナビノヒビ】第7回

こんにちは。声優・クリエイターとして活動しております、畠中愛(はたなかまな)です。

前回は、初めて自分がイチから製作を行わせていただいた「プロジェクトSister」の概要についてお話させていただきました。今回は、作品制作の意外な難しさについてご紹介します!

(C)畠中愛

「面白い中身(もの)」以前の問題
実はプロジェクトを始めた当初、そのために一番の課題となることは「どうやって中身を面白くできるか、クオリティを上げられるか」だと思っていました。けれどメインディレクターとして「全体を導く立場」でやってみたとき、一番悩んだのはまったく別の部分だったんです。

それは――まず中身を入れる「ハコ」をどうやって作るか=どう座組を組むか、どう導線を引くか。そして、つくったモノをどう売るか、という問題でした。

(C)SOLDIER STORAGE

「ハコ」がなければ「中身(もの)」もつくれない!
熱意ある人たちがしっかりとモノづくりに打ち込み、実力を発揮できたなら――つまり、「ちゃんとやれば」、ある程度のクオリティのものってできると思うんです。ただ、その「ちゃんとやる」のが難しい。なぜなら、「ちゃんとやる」ためには「ちゃんとできる」環境づくりをしなければならないからです。「誰に何を、どんなものを届けたいのか」「どうやって届けたいのか」「そのために必要なものは何なのか」をすべて洗い出し、丁寧に組み立てなければ、その環境づくりはできません。

そしてせっかく実力のある人たちが揃ったとしても、実力を発揮できる環境がなければクオリティの高いものはできないんです。…今まで自分がいろいろやらせてもらえていたのも、環境を作ってくれた周りの人のおかげだったんだなあと改めて思いました。

そんなわけで、ヘンな話。このプロジェクトを始める前は、「イチから自分で作る」ってもっとクリエイティブなことができると思っていたのですが――実際は、それ以上にバックで動かなければならないことがとても多いのだということに気づきました。「モノをつくることの大変さ」「モノをつくらせてもらえることのありがたさ」を本当の意味で知ったのは、実はプリナイではなく、このタイミングだった気がします。

(C)SOLDIER STORAGE

「プロジェクトSister」

畠中愛(ハタナカ マナ)

(C)畠中愛

1990年12月3日生まれ。兵庫県出身。
アニメ「クレヨンしんちゃん」やゲーム「感染少女」などに出演。
声優として活動しながら、クリエイターとしても活躍中。
処女作であるフルボイスノベルゲームPRINCESS NIGHTは、Nintendo Switch版開発が決定。
Twitter:@lilith0913
HP:https://givemeoshigotomh.wixsite.com/manahatanaka

 

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