【河原田巧也のブタイウラ!】第2回 ~活動自粛と演劇人~

こんにちは、俳優の河原田巧也です。この記事では、僕がリアルに感じた演劇の舞台裏を隔週で語っていきたいと思います! 今回は、先々週に引き続き演劇業界におけるコロナの影響について。自粛期間を通じて、見えてきたものについてお話します。

無観客の意外なメリット
前回は“無観客上演のやりにくさ”をお伝えしましたが、逆に「やりやすくなった」点もあります。普段のようなお客さんの大勢入った劇場では、客席に音が吸われてしまい、意外と声が通りにくくなってしまうもの。しかし無観客の劇場だと全体に声が良く響き、その点はとてもやりやすく感じました。

(C)河原田巧也

またお芝居のしやすさとはあまり関係ありませんが、配信前提での公演だったため、実は会場の照明がいつもよりも明るくなっているのもポイントです。「PIA LIVE STREAM」で振り返り配信もされていますので、ぜひ確認してみてください。

今回の無観客公演を通じて僕が感じたのは、周囲の役者たちの「表現したい」という強い気持ちです。長居自粛期間で溜まっていた“想い”も感じましたが、それよりも驚いたのは皆の「表現の引き出しの多さ」でした。きっと自粛期間で多くの作品に触れ、インプットし続けたからこその結果なのでしょう。

自粛期間を乗り越えた役者たち
ここ数年、2.5次元作品を筆頭に舞台人気が高まり、役者たちも年中ひっきりなしに作品に追われて走り続けてきました。しかし、一度立ち止まる時間を与えられると「演じることってこうも楽しいことなのか」と多くの役者が思ったはず。自粛期間で「仕事が減った」ことだけに目が行きがちですが、見方を変えるだけで得られるものはたくさんあるのだな、と感じる自粛期間になりました。

(C)河原田巧也

ちなみに僕も、普段全く見ないアニメ作品をたくさん見たり、映画を1日4本見たりとたっぷりインプットの時間を設けることができました。今回見た中で一番好きだったアニメは『かぐや様は告らせたい』です。今後の作品にこのインプットを生かせれば…と考えているところです。

さて、今後の作品といえば。笑
9/16(水)~9/20(日)にかけて、先日無観客配信した乱歩作品のうち「人間椅子」「幽霊」を、新宿の劇場「シアターブラッツ」の提供でトライアル公演することになりました。今回はなんと、初めて“演出”を務めさせていただきます! ぜひチェックしていただければ。

(C)河原田巧也

それでは、またどこかの劇場で再会できることを祈りながら。また再来週お会いしましょう!

 

【河原田巧也のブタイウラ!】バックナンバー
第1回 ~活動自粛と演劇人~

河原田巧也(カワハラダ タクヤ)
1991年5月6日生まれ。東京都出身。牡牛座のO型。
舞台『弱虫ペダル』シリーズの泉田塔一郎役や、ミュージカル「黒執事」シリーズのフィニアン役として活躍
Twitter:@takuminari

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