最大の目標は、「日本を元気にする」

サッカー日本代表のスポンサーは、日本のスポンサー

サッカー日本代表。

2010年男子サッカーW杯。2011年女子サッカーW杯。2012年ロンドンオリンピック。

SAMURAI BLUEやなでしこジャパンは、私達に興奮と感動を与えてくれた。
最後まで諦めない姿勢は、逆転勝利を生み、選手達の明るさは、日本人に元気をくれた。
老若男女、たとえサッカーファンでなくても、この興奮の波に呑まれ、日本が一つになる。
日本代表の活躍も影響してか、近所の公園では男の子だけでなく、女の子も元気一杯サッカーボールを追いかけている。
サッカーがテレビで放送すらされていなかった時代。
35年も前からサッカーには日本を元気にする力があると信じ、支援をし続けている会社がある。
サッカーには、人々を一つにする力があり、夢を与える力がある。
この想いを持ち続けてきた企業。
キリン株式会社。
彼らがサッカーを通して伝えたい想い。
「日本を元気にする」

マイナースポーツ、サッカー。
1978年。
当時日本のサッカーは、Jリーグもなく各企業の実業団チームによるリーグのみ。
がらんとしたスタジアム。
今でこそ考えられないが、たった35年前までサッカーはマイナースポーツだった。
TV放送どころかスタジアムに観客はいない。
日本代表も試合がほぼ無く、サッカーが全く流行っていなかった。
しかし、日本サッカー協会は日本代表の強化試合を求めていた。
対戦チームの招待。
それはお金が必要だということ。
協会はスポンサー探しで苦労していた。なかなか見つからない。
誰も見ていないマイナースポーツにお金をかける。
企業にとってメリットがあるのだろうか。
いや、ほぼ無いから日本サッカー協会はスポンサー探しに苦労していたのだろう。
その時期、キリン株式会社は、社会貢献のあり方について模索していた。
どうすれば、社会の為に役にたてる企業になれるのか。
どうしたら、日本を元気に出来るのだろうか。
同じ渋谷区原宿に事務所を構えていた2つの団体。
ご近所だったという運命もあり、日本サッカー協会の実情を知ったキリンは、大会協賛を決定した。ヨーロッパや南米の一流クラブチーム、アジアの各国代表を
招待した強化試合大会「ジャパンカップ(現キリンカップ)」。
日本代表オフィシャルスポンサーの始まりだ。
このタイミングで両者の想いが出会わなかったら。もしかしたら今の日本代表の強さは無かったかも知れない。
現在キリンは、男子日本代表を始め女子日本代表、各世代日本代表、フットサル日本代表、ビーチサッカー日本代表などフルカテゴリの公式スポンサーになっている。

最大の目標は、「日本を元気にする」
スポンサーの一番のメリットとは何なのだろうか。
イメージアップ。商品宣伝。企業認知度を上げる。考えれば幾らでもある。
しかし、これらは広告価値という捉え方であり、見ている人がいてこそ成り立つものだ。
当時のサッカーは、スタジアムに観客が集まらず、テレビ放送もない。
マイナースポーツへの協賛はスポンサーとしてのメリットを何一つ活かせない、完全に寄付という状況だった。
しかし、35年前のジャパンカップから、途絶えることなくキリンは支援を続けてきている。
そこには、メリットなどでは語れない想いがある。
「日本を元気に」
キリンは飲料メーカーだ。もちろん飲料で日本を元気にする。
しかし飲料だけに留まらず、企業活動を通して日本を元気にしたいという強い想いがあった。
そう感じていた時、ルールがシンプルで分かりやすい、誰もが引き込まれるスポーツに出会った。
サッカー。
「サッカーには人を魅了する力がある。」
「サッカーには日本を元気にする力がある。」
今もその想いは変わらない。
スポーツ支援を担当している大貫さんは話してくれた。

大貫さん:『サッカーじゃなくてもいいんです。それが他のスポーツでも、運動でも。日本が元気になればきっかけは何でも。でも、サッカーはその力を持っていると思うんです。そう信じています。』

キリン本社は各地域のクラブチームを応援するのではなく、日本代表を応援している。

大貫さん:『特定の地域を応援するのではなく、日本を日本国民全員と応援したい。だから、日本代表にこだわっているんですよ』

地域を応援するだけでは、日本全体を元気にすることは出来ない。
彼らの根底にある想いは、「日本を元気に」。
キリンは35年以上も、この想いをもって、支援を続けている。

中野のキリン本社受付に飾ってあるサイン入りユニフォーム

子供達に夢を、笑顔を作る仕事。

キリンの環境キャラクター「エコジロー」と子供達

スポンサーとは、実際にはどのようなことをしているのだろうか。

資金提供。商品提供。他には、、、思いつかない。
私達は、テレビや商品でしかスポンサーを知ることはない。

大貫さん:『JFAユースプログラムという子供達を大会に呼ぶのは、各スポンサーが担当しています。試合の時に、子供達を招待して選手と交流しているんです。』

ハイタッチをする子供達。
カメラマンとして、選手の写真をとる子供達。
選手入場で手を繋いで歩く子供達。
キリンは一般公募をしている。
子供達みんなにやらせてあげたい。
全員で22人必要な、入場で手を繋ぐ子供達。
当日体調を悪くして来れなくなる事を予想すると、少し多めに募集したいものだ。
しかし、キリンは22人ぴったりしか招待しない。
手を繋げない子供がでたら可哀相だからだ。
子供が手を繋げずにショックを受けるよりも、選手が一人で入場する方を選ぶ。
この一般公募は選手入場が終わった後、保護者1名も無料で観戦ができるそう。
聞いたところ、22人の枠に対して300から600人程の応募。
20人から40に1人。意外と倍率が低い。
このプログラムに参加できた子供達は、もっと練習して憧れの選手になりたいと思うかもしれない。
たったこれだけの事だが、きっと子供達にとってはかけがえの無い時間になる。

人気のスポンサー部署
「キリンが日本代表スポンサーをしているから、入社しました」
新入社員の入社理由の1つにもなっているスポーツ支援。
もちろん人気の部署だ。
しかし、このスポンサーを担当する部署、たった4人しかいない。
サッカーが好きだから入れるという訳でも無い。
ちなみに大貫さんは、テニス出身だそうだ。
日本代表の試合当日は、かなりバタバタとしている。
JFAユースプログラムの対応。VIPの待遇。
ゴールが決まった瞬間見ているのは、ゴール裏の看板。お客さんの反応。
試合を楽しむ余裕なんて無い。

大貫さん:『私達には、私達にしかできない仕事があります。』

サッカー日本代表の強化については、日本サッカー協会を信じている。

大貫さん:『彼らは彼らのシナリオに沿ってやっています、日本代表の強化は全てプロフェッショナルのお仕事です。』

自分達は、試合を盛り上げる。サッカーを盛り上げる。
それが彼らの仕事であり、それを通して日本を元気にすることが出来る。
スポンサーとしてのプロの仕事だ。

JFA・キリン スマイルフィールド

3.11。
「被災地を元気にしたい。」
今もなお様々な形で復興支援は続けられている。
キリンも同じく、この想いを持って復興支援を行っている。
被災地の人々に元気になってもらいたい。サッカーを通して子供達に笑顔になってもらいたい。
「JFA・キリン スマイルフィールド」
この活動は、自由参加ではなく、小学校の体育の授業2駒を使って行っている。
サッカーが好きな子だけではなく、サッカーが苦手な子、運動が嫌いな子。みんな一緒に取り組みたい。

大貫さん:『本気でサッカー選手を目指す子だけを応援するのではなく、サッカーの楽しさを伝え、裾野を広げる活動をしているんです。技術を教え育成する、それはとても大切です。でもそれは我々の使命ではないんです。』

トッププレイヤーを目指す子供ももちろんいる。

しかし、トップを目指す子供の教育は別で得意なスポンサーがいるという。
元サッカー日本代表を中心に、現役の日本代表、なでしこなど、毎回サッカー選手を特別コーチに呼び、子供達にサッカーの楽しさを伝えている。
日本代表:香川真司選手
なでしこジャパン:鮫島彩選手
元日本代表:秋田豊氏、小倉隆史氏、中西永輔氏 水沼貴史氏など
ボールを投げて、何回手を叩けるか競ったり、二人一組でおでこにボールを挟んでみたり。
簡単なボール遊びから始める。
錚錚たるメンバーが特別コーチとして、子供達と共にボールを追いかける。

大貫さん:『運動って、スポーツって、サッカーってこんなに楽しいんだよ。そう思ってもらいたいんです。』

学校によっては、卒業アルバムに載せているところもあるとか。
平日は毎日一校ずつ。生徒が10人しかいない学校もある。2013年12月までに訪れた学校は約500。
本当は、2回、3回訪れたいだろう。
しかし、まずは岩手・宮城・福島の約1300校全てを回ることを目指しているそうだ。

強い心を持って
キリンは、サッカーや運動の楽しさを通して子供の心の教育をしている。
簡易ゴールやボール、ビブスは運動会やドッジボールなど、
好きなように使ってもらう為、学校に寄付しているという。
「運動会でつかいました」
「ドッジボールしました」
訪れた学校や子供達から手紙が届く。
「運動が好きになりました。」
「頑張ってドリブルの練習をしているよ。」
「私はサッカーが嫌いでしたが、大好きになりました。」
学校からは、スポーツ少年団への入団者が増えたと連絡をもらうこともある。

大貫さん:『子供達に泣かされたことがあるんです。』

大貫さんは、目を赤くしながら話す。
授業が終わった後、お礼をしたいからと生徒に呼ばれた。
4年生からは、手紙を読んでもらった。
5年生からは、地元の伝統の踊りを。
6年生からは、歌を。

「幸せ運べるように」
【地震にもまけない、強い心をもって、亡くなった方々のぶんも毎日を大切に生きてゆこう。傷ついたふるさとを、元の姿に戻そう。】
阪神淡路大震災で生まれた歌を、東日本大震災の被災者である子供達が歌う。
歌に乗って伝わってくる子供達の強い想い。
コーチの秋田豊さんをはじめ、大人たちは涙で言葉が出てこなかったそうだ。

従業員を派遣
大貫さんは子供達が喜んでくれる姿をみて、心が洗われると言う。

大貫さん:『普段あまり笑わない人が、スマイルフィールドに参加したら、笑顔になって帰ってきたんですよ。笑』

キリンは、JFA・キリン スマイルフィールドに必ず従業員を一人派遣している。
営業、広報、人事、総務、経理。
部署はばらばら。
従業員には、訪れた学校の校長先生に趣旨を説明してもらう。
何のために行っているのか、従業員はしっかりと理解したうえで、校長先生に説明しなければならない。
説明を通して従業員にも、会社の想いを理解して貰う。
帰ってきた従業員は、皆嬉しそうに話すそうだ。

大貫さん:『自分の努力が子供達の笑顔を作っていると実感できるんですよ。』

子供達にお水を手渡すキリン従業員

サッカー界でも話題に

サッカー選手間でもこの活動が会話に上がるようになってきた。
「おまえ、もうスマイル行ったか」「また行きたい」など。
小倉隆史氏は、他にも仕事があるのにも関わらず、既に30回以上も参加してくれている。
秋田豊氏は第一回から参加。しかし、2012年町田ゼルビアの監督に就任したことで参加できなくなってしまった。

大貫さん:『彼はすごい想いをもって参加してくれてるんですよ、監督業が終わったらすぐに戻ってきてくれました。』

サッカー界でも、この活動に対する想いは日に日に膨らんでいるのだろう。
秋田さんが来ると聞いた学校の先生は、鹿島アントラーズのユニフォームを着てきてくれることもあるそう。
子供だけではなく、先生も、コーチも、従業員も全員が笑顔になっている。

スポーツ支援
商品や大会を通して、スポンサーを知ることはできる。
しかし、私達が普段知ることの無いスポンサーの真相。
それが、企業の想い。
35年以上もサッカー支援を続けているキリン。
従業員の中でも、何故こんなことをしているのかと、疑問の声が上がったこともあった。
笑顔で話してくれる大貫さん。

大貫さん:『日本代表が勝っても負けても、私達は支援し続けます。サッカーの力を信じてますからね。』

サッカーは、私達を興奮させ、感動させてくれる。ゴールの喜びも、失点の落胆も共有することが出来る。
35年間に及ぶキリンの想いは、サッカーを通して確実に私達の元に届いている。
「日本を、元気に。」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.