『クレしん』“しんのすけ”の名前に隠された“1つのドラマ”
臼井儀人原作の国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』。物語の主人公・野原しんのすけは、恐らく日本で1番有名な幼稚園児だろう。しかし彼の名前がどのようにつけられたのか、知っている人は少ないはず。そこで今回は、しんのすけが生まれた日まで話を遡ってみよう。
じつはしんのすけと名づけたのは、野原一家の大黒柱・ひろし。だが当初は“しんのすけ”という名前は考えておらず、候補にあったのは「しんいち」「とものり」「すぐる」「けんた」の4つだけだった。
しんのすけが生まれたのは、雨の日のこと。みさえから“陣痛が始まった”という連絡を聞きつけて、ひろしは急いで病院へ。雨が降っているにも関わらず、傘もささずに病院へ向かった。
ひろしが病院に到着すると、そこにはすでに赤ちゃんの姿が。「名前考えてくれた?」というみさえの言葉に対し、ひろしは「おう、バッチリよ」と言いながら胸ポケットから1枚の紙を取り出す。
そこには「しんいち」「とものり」「すぐる」「けんた」の名前が記載されていたが、雨に濡れて紙はビシャビシャに。文字はほとんど滲み、無事だったのは「しん」「の」「す」「け」の5文字だけ。つまり“しんのすけ”という名前は、偶然が重なって誕生したのだ。
この事実には、ネット上からも「じゃあ“野原しんいち”になる可能性もあったわけか」「普通じゃない感じがしんのすけらしいね」「ちょっと感動的…」と驚きの声が。
ちなみに“ひまわり”と命名したのは、何を隠そう“しんのすけ”。紙ひこうきに各々名前を書いて、1番高く飛んでいた人の名前を採用するという決め方をしていた。
名前1つをとっても、そこにはちゃんとしたドラマが存在するらしい。
(文=田所くるまえび)