日本酒を裏切らない

育ててくれた日本 -日本文化を世界へ-

 

 

日本酒
世界に広がる日本文化。
何が思い浮かぶだろうか?
料理から美術、アニメ、ファッションまで多岐に渡る日本文化。
今、世界に広がりつつあるのが日本酒。
そんな日本酒を新たな世界に届けようと尽力している会社へ伺った。
眞露株式会社(ジンロ株式会社。以降眞露)。
「JINRO」や「チャミスル」、「JINROマッコリ」「ハイトビール」などを扱う総合酒類会社である。
眞露で日本酒輸出事業がスタートしたのが2008年。
現在の取り扱い品目は130品目に上る。
主軸である日本酒の他、地ビールなども取り扱っている。
輸出先は韓国、香港、カナダ、チリ、インド、UAEなど。輸出国は年々広がりつつある。

 

 

高級酒から、様々な味・価格帯へ
日本酒がそれだけ世界中でブームとなっている状況なのだろうか?
日本酒輸出事業を担当している、新事業推進チーム長の方(バン)さん、主任の深澤さんにお話を伺った。

 

方さん:『まだ日本酒が普及していない国も多くありますが、全体的に見れば、日本酒への海外の需要は高まってきています。それと共に、日本酒に対しての知識が広がりますので、求められる要求も高くなっていきます。』

 

アメリカや韓国などの日本酒が浸透している国では、既に現地のインポーター(輸入業者)が求める日本酒は、高級日本酒だけではなくなっているという。
例えば2005年の韓国では、日本酒のイメージは、「日本酒は高いお酒」「奮発して飲むお酒」だったが、日本酒がより受け入れられはじめた近年では、様々な味や価格帯を求められる。
日本酒が浸透するほど、味、値段、数量など、海外のインポーターからの要求も高くなる。

 

深澤さん:『日本酒には様々な銘柄や良い地酒がありますし、高価格帯から安価なものまでありますが、海外で日本酒文化が浸透することで、初めてインポーターから具体的な要求が出てくる。要求されるということは、良さを分かってもらえているということでもあると思います。』

 

 

先人達の努力
海外の国で、急に日本酒が人気になるのではなく、時間をかけ日本酒という文化が浸透していく。
文化として根付かないと、その国で愛されるお酒としての定着は難しい。

 

深澤さん:『これまで20年以上前から、様々な酒類会社や輸出業者さんが日本酒輸出に取り組んできた。そういった先人達の努力が結実し、文化となってきたのが近年なのだと思います。』

 

先人達に感謝しつつ、彼らは現在、まだ日本酒が文化として根付いていない国にも、
積極的に日本酒を知ってもらおうと取り組んでいる。

 

 

蔵元との二人三脚
日本酒を広める為に、方と深澤は日々蔵元(酒造メーカー)を回る。
日本酒の蔵元といえば、ハッピを着て大きな樽をかき回している職人のイメージだ。

 

深澤さん:『もっと近代化されていますよ。工場ですね。けど昔と変わらず、蔵元さんは命懸けでお酒造りをしていると私は感じています。だからこそ、私も課題や見通しなど含め、本音をぶつけるようにしています。』

 

初めての輸出に取り組む蔵元。海外から求められる数量が多くても少なくても課題は生まれる。
輸出を行うには、免税書類など、蔵元側で準備してもらわないといけない書類も当然ある。
少ない出荷量に対して、書類仕事だけが増えると負荷となってしまう。
逆に、インポーターが希望する輸出量に、蔵元の生産体制として応えられない場合もある。
以前から海外の輸出に取り組んでいる蔵元であれば、既に経験しているから分かること。
しかし彼らは、まだ海外輸出に取り組んでいない蔵元も回る。
海外の方が飲んだことのない、良い日本酒をもっと知ってもらいたい。
だからこそ、想いを伝えて本気の勝負を挑む。

 

深澤さん:『もちろん、良い日本酒を求められて多く輸出したい。しかし、それが蔵元さんの重荷になっても仕方ない。日本酒を、日本文化を、まだ知られていない海外の方に届けたい。その眞露の想いを粋に感じてもらえるか、蔵元さんの想いとも一致するか、それが一番大切だと思います。蔵元さんと二人三脚で進めていきたいですね。』

 

 

日本酒を裏切らない
日本酒を仕入れたい海外のインポーターが、直接蔵元と取引する際に、商習慣や文化の関係からうまくいかないことも多いという。
蔵元側にも、専任の輸出担当者がいないこともある。
その間に眞露が入ることで、蔵元も、インポーターも安心して取り引き出来ることになる。
しかしそこには、品質管理から納品に至るまで、細部に亘る責任が生まれる。

 

方さん:『眞露の名前で輸出を行う。インポーターには、品質管理をしっかりと行っている日本酒を、眞露が責任を持って輸出しているという話をしています。先方も安心して、眞露から入荷していると思っている。どんなに安価な日本酒だとしても、そこで品質に問題があれば、それは日本酒についての裏切りになってしまう。』

 

 

育ててくれた日本
30年以上に渡り、総合酒類会社として順調に成長してきた眞露。
何故あえて日本酒輸出事業に取り組んだのだろうか。

 

方さん:『日本酒輸出事業を始めた2008年は、当社設立20周年だったんです。20周年を迎えるに当たり、長年に渡りJINROブランドを育ててくれた日本へ、何か当社として出来ることはないだろうか、恩返し出来ることはないだろうか?という想いがありました。』

 

その中で、酒類会社として目を向けたのが日本酒だった。
当時、海外で日本酒が浸透するのとは逆に、国内での日本酒業界は厳しい市況が続いていた。
日本の伝統酒の素晴らしさを海外に伝播する事を通じ、ささやかながらも日本酒業界の応援が出来れば。
そういった想いの中、日本酒輸出事業がスタートしたのだ。

 

 

広がる夢と目標
今では取り扱い品目も130品目を超えた。
更に、早いタイミングで200品目まで広げたいという目標を語る彼ら。
眞露を育ててきてくれた日本へ貢献したいという想い。
その想いに突き動かされ、年々成長を遂げている日本酒事業。
想いは消えることなく、更に大きな喜び、想いへと繋がっていく。

 

深澤さん:『自分が発掘した日本酒で、海外の方に喜んでもらいたい。自分が見つけた味を、海外の方にどう思ってもらえるのかが楽しみです。日々の積み重ねになりますが、最初で最大の目標かもしれません。』

 

方さん:『私は学生の時に日本語を専攻して学び、日本に携わる仕事がしたくて眞露に入社しました。そして今、日本で、日本の文化を海外に伝える仕事に携われているのが嬉しいです。日本酒を世界中の色々な国に広げたい。そして深澤さんと2人で、輸出した世界中の国を回りたいですね(笑)』

 

いずれは日本酒だけに限らず、更に商品の幅を広げたいと話す2人。
その想いの根底にあるのは、「日本文化をもっと世界へ」

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